「日本水仙(ニホンスイセン)」は、古くから日本で親しまれてきた房咲きスイセン。寒い冬に清楚で可憐な花を咲かせ、甘く芳しい香りを漂わせます。
雪の中でも咲くことから、雪中花(セッチュウカ)とも呼ばれます。
日本水仙の特徴や様子・花のつくりや香り・育て方
春の訪れをいち早く教えてくれる日本水仙。
日本水仙の特徴
日本水仙は、ヒガンバナ科・スイセン属耐寒性多年草(球根植物)。
名前に日本とありますが、原産地は地中海沿岸で、古くに中国を経由し、渡来したといわれています。
本州の関東地方以西、四国、九州の海岸に野生化していることから、日本水仙(ニホンスイセン・ニホンズイセン)の名前で呼ばれます。
花期は、12月~2月頃。
花は3~4センチ程の小輪、花びらは白で副花冠は黄色のカップ型、房咲きが特徴です。
葉は緑色、細長く線形で、やや厚みがあります。
名前の由来は、漢名の水仙の音読みで、仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙という中国の古典に由来し、水辺で咲く姿を仙人にたとえて名づけられました。
※水仙は、全草に有毒成分が含まれています。
誤食に注意が必要です。(葉はニラ、ノビルによく似ており、鱗茎はタマネギと間違えやすい)。
科・属名:ヒガンバナ科・スイセン属(ナルキッスス属)
別名:雪中花、フサザキスイセン
原産地:スペイン、ポルトガル、北アフリカなど地中海沿岸
草丈:20〜40㎝
花言葉:「自己愛」「神秘」
日本水仙の花の様子
日本水仙は晩秋から葉をだし、伸ばした花茎の先に花をつけ、かぐわしい香りを放ちます。
高さ20〜40㎝。
1本の花茎に、たくさんの花つける房咲き。
うつむき加減に花を咲かせます。
白と黄色のコントラストが美しい花。
花びらは白で、副花冠は黄色のカップ型。
花径3〜4㎝。
横からみた様子。
日本水仙の後ろ姿。
葉は、粉白を帯びたような緑色。
帯状で細長くやや厚みがあります。
長さ20~40cm、幅0.8~1.5cmほど。
ニラにも似てる葉です。
日本水仙の花のつくり(構造)
花びらが6枚あるように見える日本水仙ですが、上の3枚が花弁で花びら。下の3枚は萼片(がくへん)で、二段構造になっています。
黄色いカップ状のものは、雄しべと雌しべをとり囲んでる副花冠(ふくかかん)。
「副花冠(ふくかかん)」は、花冠(花弁の集合体)が一部変形してできたもの。
雄しべは6本、(上段に3本。下段に3本)。
雌しべは1本で花柱の先端が3つに分かれています。
横から見た日本水仙。
日本水仙の花の香り
日本水仙の香りは爽やかです。
すっきりとした甘さがある上品な香りを漂わせます。
香りの成分には、ストレスの軽減効果もあるようです。
花の香りは、リナロール、ベンゼルアセテート、フェンネルプロピルアセテートなどの香気成分を中心として構成され、ヒヤシンス、ジャスミン様の香りがします。引用:kanebo
日本水仙の群生は、見た目も美しく圧巻ですが、あたり一面が甘く清らかな香りに包まれ、とても心地よく癒しの空間になります。
日本水仙は12月~2月ぐらいの厳冬期に開花しますが、1本の茎に1つの花をつけるラッパスイセンなどの洋種スイセンは、3月頃からの開花で、春から見頃を迎える水仙も多くあります。