うちわのような茎がいくつも連なったウチワサボテン(団扇仙人掌)は、初夏になるとドキッとさせる美しい花を咲かせてくれます。
長崎県のバイオパークで、大型のウチワサボテンの花をたくさんみかけました。
赤い花を咲かせるウチワサボテンは、「赤花団扇(アカバナウチワ)」。
黄色の花を咲かせてるのは、「銀世界」、「火焔太鼓(カエンダイコ)」という名のようです。
目次
大型のウチワサボテンの花 美しい赤花・黄花の様子
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ウチワサボテン(団扇仙人掌)は、江戸時代の初めには渡来していたとされ、本州の中部地方以南の温暖なところで生育してます。
ウチワサボテン(団扇仙人掌)の特徴
南米や北米、タイ、イスラエルなどを原産とするサボテン科ウチワサボテン亜科、オプンティア属に分類される植物。
ウチワサボテンは世界に約300種が存在し、特定の一種の名前ではなく形の総称。平たい楕円形の肉厚な茎を持つのが特徴のサボテンの仲間。
開花の時期は晩春~夏。
花後の晩夏~秋に果実つけます。
果実や若い茎節は食用になります。
名前の由来は、葉がうちわのような形をしているサボテン。
サボテンの「サボ」は「石鹸(シャボン)」を意味で、樹液を石鹸がわりに使っていたことから名づけられたようです。
科・属名 :サボテン科・オプンティア(ウチワサボテン)属
別名:オプンティア
原産地:熱帯アメリカ
花言葉:「偉大」「熱愛」「燃える心」「熱情」「暖かい心」
ウチワサボテン(団扇仙人掌)の茎節やトゲ
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平たく葉のように見えるのは、茎が多肉化しているもので「茎節」。
節状になってつながっています。
茎の中は貯水組織が発達し、細胞の中に水が貯められるようになっています。
またトゲは、水分の蒸発を減らすために葉が変化したものともされます。
刺座(しざ)と呼ばれるサボテン特有の器官から発生します
トゲの役割は、動物から身を守るためや表面温度の調節、水の吸収に役立っています。
赤い花を咲かせるウチワサボテン(団扇仙人掌)の様子
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6月に見かけた赤い花を咲かせるウチワサボテン。
「赤花団扇(アカバナウチワ)」。
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開花した花や蕾、花後の様子。
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蕾が3個。薄っすらと紅色に色づいています。
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もうすぐ咲きそうな蕾がひとつ。
残りのふたつは花後。
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蕾が開き開花へ。
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蕾はピンクがかっていましたが、開花するとオレンジに近い赤。
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たくさんの雄しべと黄色い雌しべ。
雄しべは触れると、雌しべに向かって曲がる性質をもちます。
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花が枯れた様子。
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緑色の果実はしばらくすると赤紫になります。
黄色い花を咲かせるウチワサボテン(団扇仙人掌)の様子
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爽やかな黄色の花をさかせるウチワサボテン。
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蕾はオレンジ色がかっています。
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花と花が枯れた様子。
手前に若い蕾がひとつあります。
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平たく葉のように見える茎の上に、花が咲いてる様子が面白い。
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花、蕾、若い蕾、花後の様子。
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トロピカルな色合いが愛らしいウチワサボテンの蕾。
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きれいな黄色で、福寿草の花にもちょっと似ています。
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花と若い蕾。
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花弁は艶があります。
雄しべは非常に多数あり。
花は花びらと萼(がく)の別がありません。
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花が終わって果実へと。
果実にもトゲがたくさんあります。
果実は肥大した果皮と果肉から成る偽果。
ウチワサボテンの果実は、「トゥナ(tuna)」、「カクタスペア(cactus pear)」などと呼ばれ食されます。
生食用の他、ジャムやシロップ、アイスクリーム、酒類などの加工食品として利用されます。
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枯れたような場所からも、茎をだすウチワサボテン。
ウチワサボテンに限らず、サボテンは生命力の強い植物。
サボテンは、雨の少ない土地、高山などの他の植物が育ちにくい場所で育ちます。
サボテンの風変わりな外見には、厳しい環境で生き抜くための秘密が隠されているようです。