ウコンザクラ(鬱金桜)は、名前にあるようにウコン色(鬱金色)と呼ばれる、淡い黄緑色の花を咲かせるサクラですが、咲き進むにつれ花弁に赤みが増してとてもきれいです。
木によって個体差があるようですが、水彩画のマーブル模様のようで、彩りがとても美しい珍しい八重桜です。
ウコンザクラ(鬱金桜)の特徴や様子
パステルカラーの花が愛らしいウコンザクラ(鬱金桜)。
ウコンザクラ(鬱金桜)の特徴
バラ科・サクラ属の落葉中高木樹。
オオシマザクラ(大島桜)を基に生まれた、栽培品種のサトザクラ群のサクラ。
日本原産のヤエザクラ(八重桜)。
別名:「アサギ(浅黄)」。
「キザクラ(黄桜)」とも呼ばれ、清酒「黄桜」はこの花にちなんでいます。
「ビジンザクラ(美人桜)」との名もあります。
遅咲きのサクラで、見頃はソメイヨシノ(染井吉野)が葉桜になる頃。
葉は開花と同じ頃に出始め、花はある程度の集まりをつくり、ぶらさがるように下向かって咲きます。
樹高は5m~10mの中高木。
樹形は盃状。
花の大きさは花径4㎝前後。
花弁数は10〜20枚程。
花色はウコン色(鬱金色)と呼ばれる淡黄緑。
開花が進むにつれ赤味を帯びます。
名前は、ショウガ科のウコンの根を染料に用いた鬱金色に由来しています。
花の色が珍しい希少なサクラのようですが、この花色は花弁に黄色のカロテノイドと緑色のクロロフィルを含む葉緑体をもつ性質からだそうです。
科・属名:バラ科・サクラ属
別名:アサギ(浅黄)、キザクラ(黄桜)、ビジンザクラ(美人桜)
原産地:日本
樹形:盃状
花形:八重咲
花の大きさ:大輪
樹高:中高木
花色:淡黄緑色。(花の晩期には中心が赤味を帯びる)
開花時期:4月中旬~下旬 (※気候や風土によって誤差はあります。)
ウコンザクラ(鬱金桜)の様子
長崎市の浦上川沿いの遊歩道にある「浦上川桜回廊」にて。
4月の中旬、ウコンザクラ(鬱金桜)は満開で見頃を迎えていました。
彩りがとっても綺麗で、ピンク色のサクラとは随分と違った印象です。
咲き初めの花は淡い黄緑色。
咲き進むと中心から徐々にピンク色に変わっていきます。
くす玉のよう。かたまりになって咲いてる様子。
花弁は肉厚で外側に反り返ります。
花弁の脈に沿って紅い色素が滲んでいきます。
雄しべ20本前後。
雌しべ1本。
紅色がさらに進むと花の寿命も終わりに近いようです。
緑の筋も多く、一見ギョイコウ(御衣黄)かと思ってしまうようなウコンザクラ(鬱金桜)でしたが、花は個体差が大きいようです。
久住高原でみかけたウコンザクラ(鬱金桜)。
咲き始めの花は淡い黄緑色。
ほんのりと薄っすらとピンク色が。
中央からピンクに染まっています。
そろそろ散るころでしょうか。
葉は長さ5~8cmの楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉縁には鋭い重鋸歯があり葉先は尾状に尖ります。
ウコンザクラ(鬱金桜)に似ている「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」
「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」も「ウコンザクラ(鬱金桜)」と同じく淡い黄緑色の花を咲かせます。
咲き進むにつれ赤味が強くなるのも同じです。
名前の由来は、楚々とした美しい風合いが貴族の衣服「御衣」の萌黄色(モエギイロ)に近いため。
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)は、ウコンザクラ(鬱金桜)よりも花が小さめ、緑の筋もめだちシャープな印象がします。