野生のノゲイトウが、河原の土手一面に群生していました。
暖かい地域では、野生のノゲイトウが休耕地や荒地などを覆っていることもあるようです。
野生のノゲイトウの群生の様子は、品種改良された園芸品種のノゲイトウとは、一味違った趣きでした。
野生のノゲイトウ(野鶏頭)の特徴や様子
秋口にローソクのような花を咲かせる「ノゲイトウ(野鶏頭)」。
ノゲイトウ(野鶏頭)の特徴
ノゲイトウ(野鶏頭)は、ヒユ科ケイトウ属の一年草。
熱帯アジアの帰化植物で、日本の中部以西の暖地に古くから野生しています。
ケイトウ属の別種で、野生化したものや、野生化したものの園芸品種をしめしていて、観賞用のケイトウの原種になった植物ともいわれてます。
茎は直立してしばしば枝分かれします。高さ30~100㎝。
夏~初秋にかけて、枝先に穂状花序をだし、淡紅色から白色の小さな花を咲かせます。
花序は5~10cm程度で、水分が少なくかさかさしています。
花後は黒い直径1ミリほどの種子ができます。
名前の由来は、ケイトウに似た野生種から。
科・属名:ヒユ科・ケイトウ属
別名:カラアイ(唐藍)
原産地:熱帯アジア
草丈:30~100cm
開花時期:夏~初秋
花言葉:「おしゃれ」で「感情的」「色あせぬ恋」
ノゲイトウ(野鶏頭)の様子
河原に生える野生のノゲイトウ(野鶏頭)は、野趣あふれ、雑草のように辺り一面はびこっていました。
全体的に白っぽくキラキラしており、花序の先は薄っすら赤く彩り、ローソクの炎のようです。
花序は穂状で円錐形~円柱形。径1~2cm程度。
穂には小さな花がたくさんついています。
花は下の方から咲きあがります。
こちらは、別の河原に咲いていた園芸品種のノゲイトウ。
花序は円錐形で、槍のようにとがっています。
先の方は濃いピンク色で、グラデーションが愛らしいです。
ノゲイトウは盛んに品種改良され、セロシアという流通名で店頭に並んでいます。
アレンジメント用の切り花やドライフラワーとしても用いられています。
野生のノゲイトウが群生している様子。
一面がノゲイトウ。
他の植物を寄せつけない雰囲気。
繫殖力旺盛で、とても丈夫な植物なようです。
あまりにも群生していると、綺麗というよりも少し奇妙な感じもあったり・・・
葉はあかるい緑色。
互生する単葉で、長さ5~15cmほどの卵形~披針形。
葉の縁は全縁です。
河原で群生するノゲイトウは、コスモスが咲いてる頃に一緒に咲いていました。
ノゲイトウ(野鶏頭)とケイトウ(鶏頭)の違い
一般的にケイトウ(鶏頭)と呼ばれるものは、モコモコとしたビードロのような質感の花のイメージ。
炎のような鮮やかな花色で、夏〜秋の花壇を彩ります。
ケイトウ(鶏頭)は、ニワトリのトサカ状の花序をつけることから名がありますが、花序はトサカに似たものだけでなく、細長い円錐形のもの、球状のものなど、さまざまな形があります。
花の色は豊富で、赤や黄、オレンジ、ピンク、紫、緑など。
草丈は10cmほどの小さなものもあれば、2m程度まで大きくなる品種もあります。
ケイトウ(鶏頭)は、花冠のかたちによって、大きく4つの系統に分類されてます。
花冠がニワトリのトサカのように帯化した「トサカケイトウ(鶏冠鶏頭)系」。
トサカ状の花が折り重なって球形となった「クルメケイトウ(久留米鶏頭)系」。
柔らかい羽毛状の「フサゲイトウ(房鶏頭)系・ウモウゲイトウ(羽毛鶏頭)系」。
槍のように尖った形が名前の由来である「ヤリゲイトウ(槍鶏頭)系」。
※ ヤリゲイトウはノゲイトウに似ていて円錐形の花序をつけます。
ノゲイトウの園芸品種と同じく、セロシアという名前でも流通されています。
ケイトウのもこっとした鮮やかな花に見える部分は、花でなく茎が変化して着色しています。
「茎の先端の鶏冠の部分」=「茎の先端が扁平になって帯状に発達したもの」=「帯化(たいか)または石化(せっか)」と呼ばれます。
その下の方に小さな花をたくさんつけています。
花びらと呼ばれる部分はなく、花びらのように見えるのはガク片で5枚あります。
雄しべ5本、雌しべ1本。