ロゼット状に広がる肉厚な葉をつける「朧月(おぼろづき)」は、古くから親しまれ、庭先や石垣の隙間などでもよく見かける多肉植物。
別名は、グラプトペタルム・パラグアイエンセの学名でも呼ばれます。
初夏になると、茎を伸ばし、小さな愛らしい星型の花を咲かせます。
朧月(おぼろづき)の特徴や様子・育て方
道端の石垣に植えられてる朧月(おぼろづき)。
長く垂れ下がり、群生する様子は独特な風情があります。
朧月(おぼろづき)の特徴
メキシコ地方原産とされるベンケイソウ科グラプトペタルム属の多肉植物。
日本には、昭和の初め頃に入ってきたとされています。
草丈は15〜30cm程度。
茎ははじめ直立しますが、生長して長く伸びてくると、這ったり垂れ下がるようになります。
葉は茎頂に径8〜12cm程度のロゼット状。
長さは4〜5㎝。幅、1.5㎝程度の楕円形で厚みがあり、先端は鋭頭。
表面は白粉で覆われており、葉色は白っぽい灰緑色になります。
強い日射しや低温にさられると、淡いピンク色を帯びます。
開花時期:4〜5月。
葉脈から花茎を伸ばし、その先端に数輪~10輪ほどの小さな星形の花を咲かせます。
名前の由来は、おぼろげな葉色に由来すると言われています。
朧月の交配種はいくつも存在しており、赤く紅葉する「ブロンズ姫」、薄紫色の葉を広げる「秋麗(しゅうれい)」、「薄氷(はくひょう)」、「都の霞」、「ゴースティ(桜牡丹)」、「淡雪(あわゆき)」などがあります。
科・属名:ベンケイソウ科・グラプトペタルム属
原産地:メキシコ地方
別名:グラプトペタルム・パラグアイエンセ、ゴースト・プラント、セキレンカ(石蓮花)、風車花。
開花期:4〜5月
花言葉:「秘められた恋」
朧月(おぼろづき)の様子
朧月(おぼろづき)の葉は、やや先端のとがった肉厚の葉っぱが、花が咲いたように丸くつくロゼット状。(ロゼットとは本来はバラの花の形)。
茎は径1cmほどで、基部は立ち上がりますが、先は地を這って長くのびます。
葉色はグレーっぽい緑色で、夏は緑が濃くなり、寒くなってくるとピンク色に紅葉します。
5月に見かけた朧月(おぼろづき)は、たくさんの花をつけていました。
朧月(おぼろづき)の花の様子。
葉腋から集散花序を出し、5~10個の花をつけてます。
花は白色で、径2cmほどの5弁花の星形。赤い斑点があります。
花弁は長さ1cmほど。
花後の様子。
花が咲いた後は、種が出来ます。
果実は袋果(たいか)。
(内部に種子を含んだ、袋状の果実)。
石垣の隙間から茎を伸ばす朧月(おぼろづき)。
所々に葉が落ちてます。
朧月(おぼろづき)の葉は、ポロリと脱落しやすく、落ちた葉も発根して芽と根を出して新たな株になるものも多くあります。
鉢植えの朧月(おぼろづき)の様子。
生長するにつれ、下の方の茎はむき出しになりますが、株元からたくさん子株を吹いて茂ります。
朧月(おぼろづき)の育て方
朧月(おぼろづき)は、耐暑性、耐寒性があり、丈夫で育てやすく、よく殖える多肉植物です。
冬の寒さに寒さにも強い方ですが、それでも霜や雪にあたると枯れることがあります。
乾燥気味のほうが適し、高温多湿は苦手です。
- 栽培環境: 日あたりがよく、風通しの良い場所を好みます。
- 土:水はけのよい用土(多肉植物用の培養土など)。
- 水やり:生育期(春~秋)は土が完全に乾いたら水を与えるようにします。冬は月に2回程度。
- 肥料:生育時期の春と秋に2週に1回薄い液体肥料。
- 増やし方:葉挿し、挿し木、株分け。
生長し伸びすぎた茎は、思い切って短く切り戻します。
また密生すると風通しが悪くなるので、間引くなどの下手直しをします。
ひょろひょろと徒長してしまう原因には、日照不足、水と肥料のやりすぎ、気温が高すぎなどがあります。