水カンナは、大型の水生植物。
ちょっと変わった紫色の花を咲かせ、夏の水辺を彩ります。
カンナと名が付きますが、別科であるクズウコン科ミズカンナ属の多年草です。
葉がカンナの葉に似てることからの命名で、カンナの仲間ではありません。
「ウォーターカンナ」、「タリア デアルバタ」などの名前でも呼ばれています。
ミズカンナの特徴 花や葉の様子
湿地や沼沢地に生えるミズカンナ。(撮影場所:大分県の千町無田水田公園 撮影時期:7月のはじめ)
ミズカンナの特徴
ミズカンナは、アメリカ中・南部原産で、昭和初期に水質改善と観賞用に導入されたようです。
ダイナミックな草姿が特徴で、高さは1~3メートルほどになり、夏から秋にかけて長い花茎を立ち上げ、その先端に総状花序に紫色の咲かせます。
萼は粉白色をしていて、紫の花とのコントラストが不思議な雰囲気を醸し出しています。
名の由来は、葉がカンナに似て、水のあるところに生えることから名付けられました。
学名:Thalia dealbata
科・属名:クズウコン科・ミズカンナ属
別名:ウォーターカンナ、タリア デアルバタ
原産地:アメリカ中・南部
草丈:1~3m
開花期:7~9月
花色:紫(白)
カンナとの違い
伸びやかな大きな葉は、カンナによく似ていますが、花の様子は随分違います。
(カンナは、カンナ科カンナ属 夏から秋に色鮮やかで大輪の花を咲かせます。)
ミズカンナの花
茎先に長さ7~18㎝の集散花序を出し、紫色の花を10~30個ほどつけます。萼(ガク)は粉白色。
花は長さ10~17ミリ程。
紫色の花びらに見えるのは仮雄しべが変形したもので、その下に引き金付きの雄しべが隠されています。
虫が花に入り込むと その刺激で花柱が虫を押さえつけるように突然動いて、 別の花でつけてきた花粉を柱頭につけるそうです。
花序は独特なジグザグ形で、下の方から咲いていきます。
ミズカンナの蕾
細長い苞から出てきた蕾。
ミズカンナの葉
葉は大きな披針状楕円形で、先は尖り、長い柄があります。
葉長:40~60cmほど。
種子は暗褐色~黒色で球形。
エンドウの種子を大きくしたような形をしているようです。
ミズカンナの育て方
ミズカンナは丈夫な植物。
寒さに強く、凍結しない寒冷地以外は屋外で越冬可能。
- 場所
湿潤な場所に植え込む
一年を通じて絶えず土が湿った状態にする。
株元が少し水につかる状態でも可能。
日当たりを好みます。(休眠中は弱光でも問題ない) - 土
一般的な赤玉土でも構わない。田んぼの土は特に生育が良い。 - 肥料
4~9月 3~4週間に1度の割合で緩効性の化成肥料、または発酵済み油粕を土の中に埋め込む。
株が込みいってきたら、春に株分けをすると良いようです。