毎日の食事、ご飯には「うるち米」を使うことが多いのですが、
お赤飯やお餅をつくるときには、「もち米」を使ったりします。
日本人には、どちらも馴染みが深いとても美味しいお米です。
普段よく使うお米(うるち米)と、もち米って、何がどのくらい違うの?って思うことありませんか。
目次
米(うるち米)ともち米の違い 見た目や成分、炊き方や加工の仕方の違い?カロリーは?
見た目の違い
「うるち米」と「もち米」は、一見同じようなお米ですが、よく見てみるとすぐに違いがわかります。
- うるち米は、少し透き通った感じがあります。主要部位の胚乳が淡い半透明です。
- もち米は、米粒は丸みがあって乳白色です。胚乳は白く不透明です。
実は、もち米も刈り取る前はうるち米と全く同じで、透明感のある乳白色なんだそう。
稲刈りをした後に乾燥すると、真っ白に変わっていくそうです。
収穫直後は、同じようなお米なのですが、干すと見る見る餅米は白くなりますが、うるち米は変化がないそうです。
この白く変身することを「はぜる」というそうですよ。
穂の違い
「うるち米」と「もち米」の栽培方法は、ほぼ一緒だそうですが、
収穫の時期、稲穂をみると違いがわかります。
- もち米は、穂先が赤く、「赤ひげ」が特徴です。
- うるち米は、赤ひげでなく「白ひげ」が特徴です。赤味がありません。
穂を観察してみれば、うるち米との区別は容易に出来そうですね。
でも、穂が出る前の状態で区別を付けるのは難しいそうです。
成分の違い
成分の違いが、「うるち米」と「もち米」の用途の大きな違いになります。
その違いは、でんぷんの成分にあります。
もち米のデンプンは、調理時に強い粘性を生じるという特性を持っています。
はねばねばのお餅の正体、もっちりする赤飯など、
粘りの元となっているは、デンプンの構造成分のアミロペクチンです。
- うるち米は、アミロースとアミロペクチンがおよそ2:8
- もち米は、アミロペクチンのみです。
※栄養学的には、ほとんど差がないといわれています。
※カロリーに関してもほとんど差がありません。
(うるち米は、可食部100gあたり358kcal、もち米は、可食部100gあたりのカロリーは359kcalです。)
「もちは腹持ちがいい」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
これは、もち米を食べることで粘り気成分が体内に入り込むため、ほかの消化酵素の働きがスピードダウンし、もち米のでんぷんの分解に時間がかかってしまうためとも言われています。
炊飯器で炊くときの違い
白米と同じように「もち米」も炊飯器で美味しく炊くことができます。
「うるち米」と「もち米」では、水の量や浸水の時間が異なります。
お米の種類 | お米の量(1合) | 水の量 (米1に対する水の割合) |
うるち米 | 180㏄ | 200㏄ (約1.1~1.2倍) |
もち米 | 180㏄ | 180㏄ (約1倍) |
- うるち米は、夏場なら約1時間、冬場なら2時間ほど水に漬けておきます。
この時にできるだけ水分を吸わせることにより、ふっくらと仕上げられます。 - もち米は水分を吸水しやすいので浸さなくてもかまいません。
※もち米は、炊飯器に「玄米モード」がある場合でも「白米モード」での炊飯します。
また、もち米を蒸す場合は、炊飯器の時とは違い、蒸す前日に研がずに水につけ一晩置いておきます。
加工品の違い
「もち米」を使った加工食品の代表がお餅ですが、
米菓の代表でもある煎餅(せんべい)とあられ・おかきの違いを知っていますか。
一般的に原料がもち米であるものを「あられ・おかき」と呼びます。
うるち米のものを「煎餅」と呼ぶそうですよ。
和菓子には「もち米」が多く使われています。
白玉粉(寒ざらし粉)、もち粉、寒梅粉、落雁粉、道明寺粉などはすべて「もち米」を粉に加工したものです。
なめらかな食感も特徴で、「大福」「白玉団子」「求肥(ぎゅうひ)」などの和菓子に使用されます。
上新粉は、「うるち米」を加工した粉になります。
歯ごたえがよく「柏餅」「草餅」「かるかん」など和菓子に使用されます。
「日本酒」は、「うるち米」を原料にしています。
しかしながら食用の普通のお米とは違い 酒造り専用の酒造好適米を使用しています。
代表的なものだと山田錦・美山 錦など。
「ビーフン」は、「うるち米」を水びきして蒸煮して作られた細長い麺です。
ビーフンという名前は中国語の「米粉」の発音が由来になっているそうですよ。
うるち米ともち米の品種など
日本では、300以上もの品種のお米が作られているそうです。
品種によってそれぞれ違った味わいも楽しめます。
一つの品種をそのまま販売する場合、そのお米は「銘柄米」「ブランド米」などと呼ばれます。
うるち米の有名なところでは、「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」などがあります。
何種類かの品種のお米をまぜて販売する場合は、そのお米を「ブレンド米」と呼びます。
ブレンド米は、リーズナブルな価格が特徴でもありますが、最近ではお米を最適なバランスでブレンドすることで、こだわりのお米として販売されたりしています。
また、うるち米でもアミロースの含有量を人為的に少なくした「低アミロース米」というお米もあります。
低アミロース米は、炊いた時にもち米のように粘り気があり、冷めても固くならないという特徴があります。
「ミルキークイーン」「スノーパール 」「彩(あや) 」などの品種。
「もち米」も様々な品種がありますが、代表的なものとして
「こがねもち」「ヒヨクモチ」「カグラモチ」「ヒメノモチ」「もちひかり」「はくちょうもち」などがあります。
うるち米ともち米の保存の違い
アミロースはアミロペクチンに比べて劣化しやすいと言われています。
なので、アミロペクチンだけの「もち米」に比べて、アミロース+アミロペクチンの「うるち米」の方が痛みやすいみたい。
また、アミロペクチンだけで構成された「もち米」は、「うるち米」に比べると冷めても硬くなりにくく、おいしさが長持ちしやすいといわれています。
特に賞味期限や消費期限の記載のない「うるち米」「もち米」ですが、良い状態に保つのには冷暗所の保存が必要です。
冷蔵庫の野菜室での密封状態がベストのようですよ。
やっぱり鮮度が命?
早めに美味しく食べるのが良さそうですね。