花が少ない真夏の時期から秋までと、次々に花を咲かせるシコンノボタン(紫紺野牡丹)。
深みのある紫の花色やピンクの蕾、ベルベットのような葉が上品な雰囲気を醸し出す花木です。
ひゅんと飛び出してる変わった雄しべがクモの足のようにも見え、原産はブラジルのことから、「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名があります。
単に「ノボタン」と呼ばれることもあります。
ノボタンとは違う品種でありますが、一般的にノボタンといえばシコンノボタンをさすことが多いようです。
シコンノボタン(紫紺野牡丹)の特徴・様子や育て方
ノボタン科ティボウキナ属(シコンノボタン属)の中南米原産の常緑もしくは半常緑の低木。
シコンノボタン(紫紺野牡丹)の特徴
夏~秋に、花茎の先端に紫色の大輪の五弁花を咲かせます。
一日花ですが、長期間次々に花を咲かせていきます。
名前のシコンは「紫紺」で鮮やかな濃紫色の花に由来します。
野に咲く牡丹に似た美しい花、ノボタンに似て花色が紫紺色。
園芸種には、白から赤紫に花の色が変わる「リトルエンジェル」や、その枝変わり品種「オータム・カーニバル」があります。
※「ノボタン」は、ノボタン科ノボタン属の常緑低木で、琉球列島や小笠原諸島に分布しています。
シコンノボタンとは見た目はとてもよく似ている花ですが、ノボタンは雄べの一部が黄色です。(花期:5~8月)
学名 Tibouchina urvilleana
科・属名:ノボタン科・ シコンノボタン属(ティボウキナ属)
別名:ブラジリアン・スパイダー・フラワー
原産地 ブラジル
開花期 8~11月
樹高:1m~4m
花言葉:「自然」「平静」「謙虚な輝き」「ひたむきな愛情」「落ち着き」「あなたと踊ろう」
シコンノボタン(紫紺野牡丹)の様子(蕾・花・葉)
遠目でも目立つ美しい紫の花。
ほんのり赤い蕾、ビロードのような緑の葉のコントラストがとても美しいです。
蕾は、軟らかい産毛のようなものが生えています。
蕾を包む苞は、ピンクがかった赤でとても綺麗です。
花径7cm~10cm。
花弁は5枚。
雄しべは10本で、雌しべが1本。
雄しべは鈎状に曲がり、先端に湾曲した細長い葯(やく)があります。
横からみたシコンノボタン。
花が終わった後の様子。
雄しべや雌しべを残して花びらだけが落ちました。
雌しべとガクだけが残っています。
和風の花を咲かせますが、全体的には熱帯花木らしい色合いです。
葉は対生 葉形:楕円形
長さ4.5~11㎝、幅2~5㎝、先が尖った卵形~卵状楕円形。
縦方向にくっきりと数本の葉脈が走り、表面には柔らかい毛が生えています。
葉の縁が赤っぽいものや、夏でもオレンジ色に紅葉しているのもあります。
シコンノボタンは、寒くなると紅葉し、日本では落葉することもあります。
シコンノボタン(紫紺野牡丹)の育て方
基本的に、丈夫で生育旺盛な栽培しやすい植物です。
南国原産にしては耐寒性があり、九州では地植えにしているものを良く見かけますが、霜に当たると枯れるので、寒い地域では晩秋~早春は室内に取り込むことをお勧めします。(0~3℃以上で冬越し可能)
- 栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所を好む植物です。
(当たりが悪いと、花つきが悪くなります) - 水やり
水を好む植物なので、水切れしやすいので注意します。
冬は生育が止まるので水やりの回数を少なめにします。
庭植えの場合、様子を見ながら乾かないように水を与えます。
鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。 - 肥料
生育期である春から秋の間は、2週間に1回、液体肥料を与えます。 - 剪定
花後に節の上で軽く切り戻すと、脇芽が伸びて再び開花します。
大きくなり過ぎる時は、花後に大きく切り戻しをします。 - 増やし方
挿し木で増やせます。適宜、5月中旬~6月下旬。 - 病虫害
春先からアブラムシに注意が必要です。