ハイビスカスは、南国を連想させる爽やかで鮮やかな彩りを添えてくれる、アオイ科・フヨウ属の美しい花です。
夏になると、ハイビスカスみたいな花、似ている花を多く見かけませんか。
アオイ科・フヨウ属の花は、花の形が似通ってるもが多くあります。
それぞれに個性豊かな一面があって面白いです。
目次
夏に見かけるハイビスカスに似ている花
「ハイビスカス」は、世界各地の熱帯・亜熱帯地域を中心に、一部温帯地域を含めて分布しているアオイ科・フヨウ属の非耐寒性常緑低木。
ハイビスカスの特徴
ハイビスカスの開花時期は5~10月頃で、夏~秋にかけて最盛期を迎えます。
ハイビスカスの園芸種は、世界で5000種を超えると言われています。
広義の意味でのハイビスカスは、アオイ科フヨウ属の植物全般のことを指すようですが、一般的には、ブッソウゲなど数種の野生種から作出された品種のことを、ハイビスカスと呼んでいます。
花色は赤、ピンク、白、黄、オレンジ、紫などがあり、花はゴージャスな大輪から小輪まであり、垂れ下がるように花が付く種もあります。
通常は、朝開いて夜に閉じて1日で終わってしまう1日花ですが、1つの花が2~3日咲くのもあります。
科・属名:アオイ科フヨウ属
別名:仏桑花(ブッソウゲ)、琉球木槿(リュウキュウムクゲ)
原産地:中国南部、インド洋やハワイ諸島、モーリシャス島等といわれるが詳細は不明
花言葉:「繊細な美」「新しい恋」
ハイビスカスの花・葉の様子
ハイビスカスの花の形
多くは、5つにさけた萼(がく)と5枚の花弁(はなびら)からなり、筒状に合わさった多くの雄しべが突き出ています。(八重咲の品種もあります。)
たくさんの雄しべと雌めしべが合着して筒状になって、 花の中心に突き出しているのは、アオイ科の特徴です。
ハイビスカスの葉の形
葉は卵形から楕円形で、手のひらのように裂け目があるものや、葉の縁が滑らかなもの~ギザギザしている鋸歯のもの、葉に斑が入るものなどがあります。茎に互い違いにつきます。
赤いハイビスカスみたいなモミジアオイ
「モミジアオイ(紅葉葵)」は、北アメリカに分布するアオイ科フヨウ属の多年草。
宿根草植物ですが、草丈は2mにもなる大型の草花です。
開花時期:7月から9月頃。
沼地に多く自生することから、沼ハイビスカス(swamp hibiscus)とも呼ばれています。
赤い花が目につき、赤いハイビスカスともよく似ています。
光沢のある鮮やかな緋色で、紅蜀葵(こうしょっき)という名もあります。
花色は赤のほか、白、ピンクもあります。
花は、花弁の根元が細く、花弁の間の隙間も広いのが特徴です。
葉は、線の細いモミジ(カエデ)のようです。
朝咲いてその日の夕方にはしぼんでしまう一日花。
名前の由来は、星形の葉っぱの形がモミジに似ている事から付けられいます。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
別名:コウショッキ(紅蜀葵)
原産地:北アメリカ
草丈:1.5m~2m
開花期:7月~9月中旬
花言葉:「温和」「穏やかさ」「優しさ」「努力の賜物」
大輪の花を咲かせるタイタンビカス
「タイタンビカス」は、特定のアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種。
高さ2mになるアオイ科フヨウ属の大型の宿根草です。
開花時期:7月下旬~10月上旬。
ハイビスカスに似た華やかな大きな花を咲かせます。
花色は、白、ピンク、赤など。
花の大きさは子供の顔(直径15~25cm)ほどもあり、一日花ですが全盛期の真夏には、巨大な花が次々と咲き乱れます。
葉は、普通切れ込みが入り3列に分かれますが、分裂しないものもあるようです。葉の縁には鋸歯があります。
ハイビスカスのような花姿から「巨神タイタン」にちなんで、タイタンビカスと名づけられました。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
原産地:日本(赤塚植物園)
草丈:2m~3m
開花期:7月~9月
花言葉:「美しさ」「新しい恋」「繊細な美」「伝統」
アメリカフヨウは、フヨウよりも大きな花を咲かせる宿根草
「アメリカフヨウ」は、北アメリカに分布するアオイ科フヨウ属の多年草です。
開花時期:7月~9月。
フヨウによく似ていますが、フヨウは落葉低木の花木で、アメリカフヨウは宿根草です。花はフヨウを一回り大きくしたような、ピンクや白の一日花を咲かせます。
フヨウと同様、花がハイビスカスとよく似ています。
花色は、白、ピンク、赤など。
花は一重の丸型で15cm以上の大型。
宿根草なので、「クサフヨウ(草芙蓉)」とも呼ばれます。
葉は卵型で先端は尖り、縁はギザギザしています。
フヨウの葉よりは小さい。
アメリカアラバマ州が原産地の芙蓉(フヨウ)ということで、「アメリカフヨウ」という名前がついてるようです。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
原産地:北アメリカ
別名:クサフヨウ(草芙蓉)
草丈:1m~2m
開花期:7月~9月
花言葉:「日ごとの美しさ」「しとやかな恋」「はなやかな生活」
とても丈夫! たくましく咲くフヨウの花
「フヨウ(芙蓉)」は、日本、中国、台湾にに分布するアオイ科フヨウ属の落葉低木。
日本に古代から自生し、室町時代には既に庭木として栽培されていたそうで、公園や空き地などでもよく見かける花木です。
開花時期:8月~9月。
花色はピンク、白。
基本種の一重咲きの他、八重咲き品種もあります。
枝はよく分枝してこんもりと茂り、樹高2~3m程度に成長します。
花期になると、分枝した枝の葉の付け根から花序を出し、花径10~15㎝程度の花を咲かせます。一日花ですが次々花を咲かせます。
フヨウの葉は特徴的で、手のひらのようで、浅く3裂から5裂しています。
フヨウ(芙蓉)は、蓮の美称としても使われることから、区別するために「モクフヨウ(木芙蓉)」とも呼ばれています。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
原産地:中国、台湾、日本
別名:モクフヨウ(木芙蓉)
草丈:2m~3m
開花期:7月~9月
花言葉:「繊細な美」「しとやかな恋人」
朝に開花したときは白花で、 午後にピンクへ、夕方になるにつれてだんだん赤くなる「スイフヨウ(酔芙蓉)」も同じ形の花をしています。
庭木でよく見かけるムクゲの花
「ムクゲ(木槿)」は、中国、台湾、朝鮮半島に分布するアオイ科フヨウ属の落葉性低木です。
公園や一般家庭の庭木としてもよく栽培されています。
花期:7月~9月。
基本種の一重咲きのほか、八重咲き、大きな花弁の内側に小さな花弁が重なる半八重咲き、バラ咲き、ポンポン咲き、乱れ咲きなどがあります。
花色は、白、ピンク、赤、紫、複色。
枝は直立してよく分枝し、樹高1~3m程度に成長します。
木に咲く花で、花径6~10㎝程度の花を咲かせます。
葉は互生し、長さ3~10㎝、幅2~4㎝の広卵形から菱形で縁に鋸歯があり、多くの場合浅く3裂しています。
名前に由来は、中国名の「モクキン・ムーチン」か、韓国名の「ムグンファ」がなまったという説が有力とされています。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
原産地:中国
別名:ハチス(波知須)、キハチス(木波知須)、モクキンカ(木槿花)
草丈:1m~3m
開花期:7月~9月
花言葉:「信念」「デリケートな愛」「尊敬」
和風のハイビスカスと呼ばれる、ハマボウ(浜朴、黄槿)
「ハマボウ(浜朴、黄槿)」は、関東以西の本州・四国・九州に分布するアオイ科フヨウ属の落葉性低木です。内湾や河口の塩性湿地に生育します。
開花時期:7月~8月。
レモンイエローがとても爽やかな花で、「和風のハイビスカス」と呼ばれます。
また、「温帯のマングローブ」ともいわれている塩生植物。
花は5~8cm程で、中心部は暗赤色であり、朝咲いて夕刻にはしぼむ一日花。しぼんだ花は燈色に変わります
見た目は、小さめのハイビスカスのようです。
葉は、厚みがある倒卵状円形で、葉縁には細かい鋸歯があり、先がやや尖っています。
名前の由来は諸説ありますが、「浜辺の朴の木(ホオノキ)」と考えられたようです。
科・属名:アオイ科・フヨウ属
原産地:日本(関東以西)
草丈:1m~3m
開花期:7月~8月
花言葉:「楽しい思い出」「淡い恋心」
立ち姿が目を引くタチアオイ(ホリホック)
「タチアオイ(ホリホック)」は、アオイ科ビロードアオイ属の一・二年草、または多年草です。まっすぐ伸びる長い茎に、ハイビスカスに似た花を穂状につけます。(フヨウ属の植物ではありません。)
花期:6月~8月中旬。
園芸品種が多くあり、花型は一重咲き、八重咲き、ピオニー咲き。花色も白、黄色、アプリコット、ピンク、濃いピンク、赤、紫など非常に豊富です。
茎は直立して花を咲かせながら、草丈60~200㎝程度に成長します。花は直径7〜10cm程で、下から次々に咲き上がります。
葉は、浅く5~7裂した掌状で基部が心形。
縁に鋸歯を持って互生します。葉の表面には皺が目立ちます。
まっすぐに伸びる草姿からタチアオイ(立葵)の和名があります。
よく似た草姿の植物に「マロウ(ウスベニアオイ)」があります。
タチアオイより一回り小さい花を咲かせます。
科・属名:アオイ科・ビロードアオイ属(タチアオイ属)
原産地:地中海沿岸(有力説)
草丈:0.6m~2m
開花期:6月~8月中旬
花言葉:「大望」「野心」「豊かな実り」「気高く威厳に満ちた美」