白いたんぽぽ シロバナタンポポ(白花蒲公英)の特徴や様子

シロバナタンポポ(白花蒲公英)
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シロバナタンポポ(白花蒲公英)は、西日本から本州中央まで広く分布しているタンポポで、九州では寒い冬にも野原に咲いています。

タンポポは明るい黄色のイメージが強いですが、珍しい白花を咲かせるタンポポも可愛いらしいです。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の特徴や様子

野に咲くシロバナタンポポ(白花蒲公英)

12月に咲いているシロバナタンポポ(白花蒲公英)。
キク科・タンポポ属の多年草。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の特徴

シロバナタンポポの分布は、九州北部、中国、四国を中心とした西日本。
里山や市街地の公園や空き地などで生育しています。

他のタンポポと同様に、直立した花茎の先に、小花が集まった頭花(とうか)をつけます。(小花はやや少なめ)。
花の外側は白色で、中央の花柱部は黄色を帯びています。

増え方(繁殖方法)は、受粉ではなく、単為生殖(たんいせいしょく)です。
在来種のタンポポですが、外来種の西洋タンポポのようにクローンで増えます。

花が白い理由は、この種類のタンポポに黄色色素(カロチノイド)を分解する成分が含まれているともされます。

学名: Taraxacum albidum
科・属名:キク科 ・タンポポ属
花言葉:「わたしを探して、そして見つめて」

 

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の様子

シロバナタンポポ(白花蒲公英)が咲いてる様子

陽当たりのよい場所を好むシロバナタンポポ。
茎の高さは10~30cm、花の直径は4cmほど。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の花

花は小花が集まった頭花。
一見、花びらがたくさんある1つの花のようにも見えますが、 小さな独立した花(小花)が円盤状に集まり咲いています。
小花は舌状花といわれる形体をした両性の花。

咲ききるまで、朝に開き夕方になると閉じるを繰り返します。
雨の日も閉じています。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の蕾

蕾の様子。
緑色のガクのようなものは、総苞(そうほう)と呼ばれ、葉が変形したもの。内弁と外弁の2層構造になって花のまわりにつきます。

咲き始めたシロバナタンポポ(白花蒲公英)の様子

小花は外側から順に、同心円状に開いていきます。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の花のアップ写真

小花の花びらは、5枚の薄い板状の花弁が合わさっている合弁花。

くるっと二股になっている部分が雌しべの柱頭。
その下に5本の雄しべがあります。

シロバナタンポポ(白花蒲公英)の葉

葉は根元から出て、放射状に広がります。
途中はギザギザの形をしていて先端が尖っています。

葉は長さ15〜20cm、幅3〜7cmの披針形。
上にいくほど小さくなります。

花茎は中空(中心に穴が空いている)。

シロバナタンポポの綿毛の様子

花が咲き終わると、「綿毛」をつけた実ができます。

綿毛は冠毛(かんもう)といい、下の方に実(痩果)がついています。

痩果は長さ4mmほど。
白い冠毛は8mmほど。
果実の間には1cmの果柄があります。

果実が熟すると茎を長く伸ばし、パラシュート状の冠毛が風にのって、種子が運ばれます。どこまで飛べるかは風次第だそうです。

 

タンポポの種類

野原でみかけたセイヨウタンポポ

 

白い花を咲かせるタンポポは、他にも「キビシロタンポポ(吉備白蒲公英)」があります。

キビシロタンポポは、中国・四国を中心に西日本の中山間地域に分布する白または薄黄色のタンポポで、総苞外片の縁に繊毛があります。

東海地方にも類似種があり、「オクウスギタンポポ(奥薄黄蒲公英)」とする説もあります。

 

タンポポは、キク科タンポポ属の総称です。
世界に約2000種類、日本には15~20種類あるそうです。

日本で見られるタンポポは、古くから存在する「在来タンポポ」と明治時代に入ってきた「外来タンポポ」があります。

在来種のタンポポは、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、トウカイタンポポ、シナノタンポポ、エゾタンポポ、オキタンポポ、モウコタンポポなど。

外来種のタンポポは、セイヨウタンポポ。
ヨーロッパ原産の帰化植物です。
クローンで増えるタンポポで、全国各地に広がっています。
見分け方は、花の基部の緑色の総苞。
外片が下にむかって強く反り返っているのが特徴です。

 

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