オカメザクラ(おかめ桜)は、小さめの濃いピンクの花をたくさん咲かせる、とても愛らしい桜。
見頃は早春で、ソメイヨシノ(染井吉野)より一足早く開花します。
同時期にみられる早咲き桜で有名な、カワヅザクラ(河津桜)よりも、花は小さくて色は濃いめです。
目次
早咲きの桜 オカメザクラ(おかめ桜)の特徴や様子
3上旬に見頃をむかえていた「オカメザクラ(おかめ桜)」。
バラ科・サクラ属の耐寒性落葉小低木。
オカメザクラ(おかめ桜)の特徴
オカメザクラ(おかめ桜)は、イギリスの桜研究家イングラム氏が、カンヒザクラ(寒緋桜)と マメザクラ(豆桜 )を交配して作出した栽培品種です。
2下旬~3月中旬にかけて見頃となる早咲きのサクラ。
花は小ぶり、濃いめのピンク色で一重咲き、花弁は平開せず下向きに咲きます。
桜の中では小型品種で、樹高は成長しても3m程度でコンパクトに育つので、小さめの庭でも栽培しやすい品種。
名前は、日本美人「おかめ(阿亀)」に由来します。
別名:オカメ、おとめ桜
原産地:園芸品種(イギリス)
花言葉:「しとやか」「高尚」
樹形:広卵状
花形:一重咲
花の大きさ:小輪
樹高:1~3m
花色:濃紅色~薄桃色
開花時期:2下旬~3月中旬(※気候や風土によって誤差はあります。)
オカメザクラ(おかめ桜)の様子
愛らしいピンクの花をたくさんつける「オカメザクラ(おかめ桜)」。
小輪花のサクラ。
花は小めですが、存在感あふれる美しいサクラです。
ピンクの花弁と黄色い葯をつけた雄しべ、緋色のガク(萼)、皮目模様がある茶色の枝・・・
色・形、バランスがとてもきれい。
球体のように固まって咲く花。
花色は濃いめのピンク、蕾はさらに濃いピンク。
萼(ガク)は濃い紅色で目立ちます。
オカメザクラ(おかめ桜)の花は、ソメイヨシノ(染井吉野)やカワズザクラ(河津桜)よりも色が濃く、片親あるカンヒザクラ(寒緋桜)よりは薄い色。
開花しても花は平開せず、やや半開きです。
花は直径2cmほどの小輪の一重咲き。
下垂して咲きます。
花弁は5枚。
雌しべ1本。
黄色い葯(やく)をつけたたくさんの雄しべが目立ちます。
蕾(つぼみ)の様子。
小さいベルが並んで垂れ下がっているよう。
寒緋桜(カンヒザクラ)の蕾によく似ています。
筒のような形をした萼筒(がくとう)も、5枚の萼片(がくへん)も濃い紅色。
幹の様子。
幹は灰紫褐色、横長の皮目がめだちます。
オカメザクラ(おかめ桜)の交配親 マメザクラ(豆桜)とカンヒザクラ(寒緋桜)
オカメザクラ(おかめ桜)は交配親は、「マメザクラ(豆桜)」・「カンヒザクラ(寒緋桜)」。
樹が小型で花が小さい「マメザクラ(豆桜)」と、濃いピンク色の花を咲かせる早咲きのサクラ「カンヒザクラ(寒緋桜)」の特徴を受け継いでるようです。
- 「マメザクラ(豆桜)」
学名:Cerasus incisa var. incisa日本に自生している桜の原種の1つです。
関東南部から中部山岳地に分布し、富士山や箱根の周辺に多く見られることから、別名:「フジザクラ(富士桜)」、「ハコネザクラ(箱根桜)」。樹高や葉、花が他のサクラよりも小さめで、名前の由来も小ぶりなことからついています。
花は白色~淡桃色で下向きに咲きます。
花期:3月中旬~4月中旬。
- 「カンヒザクラ(寒緋桜)」
学名:Cerasus campanulata原産地は台湾、中国南部。
日本へは江戸時代に本州へ伝わったとされます。早咲きのサクラで、鮮やかな緋紅色の花を半開した鐘状に下向きにつけます。
寒い時期に開花し、花びらが緋色に染まることから「ヒカンザクラ(緋寒桜)」。
「タイワンザクラ(台湾桜)」、「ヒザクラ(緋桜)」の別名があります。
花期:1月~3月上旬。
同じ頃に咲くカワヅザクラ(河津桜)
カワヅザクラ(河津桜)もオカメザクラ(おかめ桜)と同じ時期にみられる早咲きのサクラです。
カワヅザクラ(河津桜)は、「カンヒザクラ(寒緋桜)」と「オオシマザクラ(大島桜)」との雑種と考えられる栽培品種。
原木は伊豆半島の河津町にあり、名前の由来ともなっています。
花は大輪の一重咲きで、花色はピンク色。
開花は2月上旬〜3月上旬ごろ。
長い間咲き続ける特徴があります。
オカメザクラ(おかめ桜)と同じ場所、同じ時期に見たカワヅザクラ(河津桜)。
蕾は見当たらず、満開のようすでした。
花が大きいので存在感があります。
花形は平開形で一重のやや下むき。
カワヅザクラ(河津桜)の片親は、オカメザクラ(おかめ桜)と同じく、濃いピンクで色鮮やかに咲く「カンヒザクラ(寒緋桜)」。
カワズザクラ(河津桜)も、蕾や咲き始めは非常に濃いピンク色をしています。
満開時になるとピンク色、それからだんだん色あせて散っていきます。