ウコン(鬱金)は、ショウガ科の大きな葉を持つ熱帯性の多年草です。
英語名は「ターメリック(turmeric)」で、根茎を生薬やカレー粉の原料などとして使われることでも知られています。別名は「キゾメグサ(黄染草)」。
花は、盛夏~初秋にかけて咲きだします。
葉の間から、長さ20センチ程の穂状花序をつける様子は華やかです。
花穂は、大きな淡緑色の苞葉が幾重にも重なっていて、苞葉の間に小ぶりの淡黄色の花をつけます。
ウコン(ターメリック)の花はどんな花?
ウコンは、ショウガ科特有の大きな葉も特徴的。
カンナの葉にも似ていて、楕円形で先は尖っています。
九州で育ててますが、毎年8月の半ばから花が見られます。
暖地では植えっぱなしでも越冬します。
ウコン(ターメリック)の特徴
熱帯アジアを原産とするショウガ科ウコン属(クルクマ属)の多年草。
インドでは紀元前から栽培されており、日本には、18世紀初めに渡来したといわれています。
草丈は50~150cm。
葉は長い柄のある長楕円形で、両面とも無毛でつややかです。
花期は、8月~9月。
葉の間から花茎を出し、大型の穂状花序をつけます。
白い花として見られるものは、多数の苞葉からなる花穂で、重なった淡い緑の苞の中に唇形の淡黄色い花が咲きます。
根茎は主根茎と側根茎からなります。
切断面は黄~オレンジ色で、特有の香りあり、古くから染料(鬱金粉という)として知られ、カレー粉、沢庵などの食品、黄色の染料、化学試薬にも利用されています。
名前の由来は、漢名の鮮やかな黄色を意味する欝金(ウッコン)の字音が変化したもので、呉音の「ウッコン」が転訛して「ウコン」となりました。
別名の「キゾメグサ(黄染草)」は、染料に用いたことから。
科・属名:ショウガ科・ ウコン属(クルクマ属)
原産地:インド
別名:ターメリック、キゾメグサ
花期:8~9月
草丈:50~150㎝
花言葉:「乙女の香り」「あなたの姿に酔いしれる」
ウコンの種類
通常ウコンといえば、秋ウコンのことで、ターメリックは秋ウコンを指しています。
他にも、春に咲く「春ウコン(キョウオウ)」や、初夏に咲く「紫ウコン(ガジュツ)」があります。
- 春ウコン
花は5~6月に咲きます。
花はウコンと同じ淡黄色ですが、苞葉は頂上に近いほどピンク色をしています。
葉の裏面は軟毛があります。
根茎の断面は、黄色(ウコンほど濃くはない)。
根茎を姜黄(キョウオウ)と呼び、生薬として利用されます。
- 紫ウコン
夏ウコンとも呼ばれ、花は6~7月頃に咲きます。
花は同じく淡黄色ですが、苞葉は先端が紅紫色を帯びます。
葉の主脈周辺も紅紫色を帯びます。
根茎の断面は、薄い青みがかった色。
根茎を薬用とし、生薬名は莪蒁(ガジュツ)。
ウコン(ターメリック)の様子
葉の中心から30 cm程度の花茎を出し、大型の穂状花序(すいじょうかじょ)をつけます。
花穂は淡緑色の苞葉が幾重にも重なり合い、頂部のものは大きく、頂点に近いほど白色で先端はわずかに赤みを帯びます。
白い花として見られるものは、多数の苞葉からなる花穂です。
花は淡黄色で、苞葉の間にあります。
花のつくりは、花の基部の3枚の外花被が、3枚の内花被を包んでいます。
黄色で唇形の花弁に見えるものは花被ではなく、雄しべの一部が変化したもの。
中央に黄色の帯があります。
ウコンは不稔性なので、結実せずに根茎で繁殖します。
ウコンの蕾(花芽)の様子。
ウコンの花、上から見た様子。
花のような苞葉。
ウコンの葉は、株元から多数生じます。
2列に互生する単葉。
長い葉柄を持つ大きな長楕円形で、先端が尖ります。
質は肉厚で、表面は鮮やかな緑色。
規則的に並ぶ葉脈が美しいです。
鑑賞用のウコン? クルクマ
「クルクマ」は、ショウガ科ウコン属(クルクマ属)に分類される球根性の多年草です。ウコンの仲間で園芸種。
食用・薬用として栽培されるものを「ウコン」、花を鑑賞するために栽培されるものを「クルクマ」と呼ばれています。
ウコンよりも小ぶりで、まっすぐに伸びた茎の先に、立体感のある鮮やかな花を咲かせます。
草丈は、60~70㎝。
開花時期は、7月~9月。
苞の色は、紅紫色、白色、緑色など。
重なり合う苞がトーチのような独特の形状。
花よりも苞葉が鮮やかで目立ちます。
苞葉は1カ月以上も美しい色を持続し、長い間楽しめます。
花は苞葉の中にひっそり咲き、一週間ほどで咲き終わりますが、なんとも愛らしい花姿です。
欧米では「Siam(タイの)tulip(チューリップ)」や「Summer(夏の)tulip(チューリップ)とも呼ばれています。
開花時期が長いのが特徴。
夏の花咲く観葉植物としても活躍してくれました。