ミゾソバ(溝蕎麦)は、山野の水辺に生育する植物で、蕎麦に似ていて、溝に生えていることから名前がついています。
秋になるとしばしば群生して、水辺はピンクのお花畑へ。
よく見ると、小さな花は宝石のよう、色の濃淡にも個体差がありきれいです。
花の形が金平糖に似ていることから「コンペイトウグサ」、葉の形が牛の顔に似ていることから「ウシノヒタイ」などとも呼ばれています。
「ママコノシリヌグイ」によく似ていますが、ママコノシリヌグイは茎の刺が鋭く、葉の形は三角形なので、見分けられます。
目次
ミゾソバ(溝蕎麦)特徴・様子・似た花
秋の水辺に群生しているミゾソバ(溝蕎麦)。
ミゾソバ(溝蕎麦)の特徴
ミゾソバ(溝蕎麦)は、日本、朝鮮半島、中国原産、タデ科イヌタデ属 に分類される一年生。
日本では北海道〜九州の小川や沼沢地、湖岸など湿った場所に多く生育します。
茎は地面を這い根を下ろし、そこから上に伸びて高さ30~80cmになります。
茎は中空で、下向きに小さなとげがまばらに生えています。
葉は互生、卵状で基部が左右に出るほこ形。
開花期は夏〜秋。
枝先に球状の花序を出し、直径4~8mmの白色~紅色が混じる小さな花を10~20輪咲かせます。花色は変化に富み、色の濃淡は個体差があります。
花後の果実は深褐色。長さ3~5mmほどの3稜形の痩果。
若い芽や茎葉は、食用や薬用として利用されています。
食用には、新芽や柔らかい葉を、塩を入れた熱湯で茹でて、水に浸してアク抜きをしてから、おひたし、ごまあえ、佃煮、油いためなど。
薬効として、乾燥した茎葉を煎じて服用するとリュウマチに効き目があるといわれています。
生の茎は止血、鎮痛作用があるとされ、よくもんで患部につけます。
科名・属名 :タデ科・イヌタデ属
原産地:日本、朝鮮半島、中国
別名:ウシノヒタイ、コンペイトウグサ
花期:7~10月
花言葉:純情
ミゾソバ(溝蕎麦)の様子
秋の水辺はミゾソバのお花畑。
ミゾソバの花は1センチにも満たない小さな花ですが、いきいきと咲いてる様子はとても綺麗で爽やかです。
観察していると、花の色はさまざまで濃いピンク〜白までと、いろんな色合いの花が咲いています。
多く見られたのが、濃いピンクの花をつけるミソソバ。
ミゾソバは茎の先に金平糖のような形の花をつけます。
まだ蕾が多いですが、十数個の小さな花が頭状に集まってついています。
桃色の米粒のような蕾。
順次咲きだす花。
花被は長さ3~4㎜。
先の紅色が濃く、5裂します。
花弁はなく、がくが花弁のようになっています。
雄しべは8本。雌しべの花柱は3裂。
密に花がついてない花序からは、横からみた花の形や咲きそうな蕾の様子がよく見えました。
小さな花でこその透明感も半端なく、とても綺麗です。
ミゾソバ(溝蕎麦)の花は、同じ場所でもさまざまな色合いの花が見られるようです。
薄っすらとピンクに染まる色っぽい花。
薄いピンク一色の花。
緑が混じったピンクの蕾。
葉の様子。
葉は牛の顔をさかさまにしたようなほこ形で、アサガオの葉にも似ています。
ミゾソバの別名は「ウシノヒタイ(牛の額)」。
葉は互生し、長さ4~10cmの卵状ほこ形。
先は鋭く尖り、基部は耳状にはりだし、両面に刺毛と星状毛を散生します。
シロバナミゾソバ 白花溝蕎麦
「シロバナミゾソバ(白花溝蕎麦)」は、ミゾソバの白花品種。
学名:Persicaria thunbergii form. albiflora, Polygonum thunbergii f. vadicans
ミゾソバと同じような日当たりのよい水辺に生えます。
ミゾソバに似た花 ママコノシリヌグイ(継子の尻拭)
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭)は、タデ科イヌタデ属の一年草。
北海道〜九州の荒地、田の畦、水湿地などに生育します。
花はミゾソバにそっくりの頭状花序で、金平糖のような形。
花は直径4㎜ほどで10個くらいつきます。
別名は「トゲソバ」。
トゲで周囲のものにひっかかりながら絡みつきます。
茎に触るとかなり痛い、下向きの鋭いトゲがあります。
花はミゾソバに似ていますが、ミゾソバの葉がほこ形であるのに対して、ママコノシリヌグイは三角形です。
科・属名:タデ科 ・イヌタデ属
原産地:日本、朝鮮半島、中国
別名:トゲソバ(棘蕎麦)
花期:5~10月