ハマボッス(浜払子)は、サクラソウ科の海浜植物で、日本各地の海岸に広く自生しています。
葉は肉厚でつやがあり、初夏になると、赤味を帯びた茎先に総状花序をつけ、1㎝ほどの白い小さな花をたくさん咲かせます。
花穂の様子を払子(ほっす)、馬の毛などを束ねてつくった仏具に見立て、名前がついています。
ハマボッス(浜払子)の特徴・様子
海岸の岩場に花を咲かせるハマボックス。
ハマボッス(浜払子)の特徴
東南アジア、太平洋諸島原産のサクラソウ科オカトラノオ属の海浜生多年草。
日本では北海道南部~西南諸島の海岸に普通に見られます。
草丈は10~50 cm。
茎は基部から分岐して直立します。
葉は肉厚で光沢がある細長い卵形で、長さ2~5cm、幅1~2cmほど。
葉の付き方は互生で、らせん状につく。
開花期:5~7月
茎の先端に短い総状花序を出し、葉状の苞のわきに直径1cmほどの白色の花をつけます。
果実は球形の蒴果。
名前の由来は、浜辺で咲き、草姿が仏事に使う払子(ほっす)に似ていることに拠ります。
(払子=仏教の法要を行う際に導師が手に携えている”はたき”型の持ち物)。
学名:Lysimachia mauritiana
科・属名:サクラソウ科・
原産地:東南アジア、太平洋諸島
別名:
開花期:5~7月
花言葉:海への祈りを込めて
ハマボッス(浜払子)の様子
根元から分枝して直立し、株立ちになるハマボッス(浜払子)。
茎の先に総状花序。
葉状の苞の脇に白い花を1個ずつ付けます。
葉状の苞の脇につく白い花。
下の方から開花します。
花冠は筒状で先端は5つに分かれています。
萼も5深裂。
短い雄しべ5本と、中心に1本の雌しべがあります。
赤く色づく果実はさく果で、直径4〜6mmの球形。
先端にめしべの一部(花柱)が残ります。
熟すと頂上に穴があき、小さな種子を散らします。
種子は楕円形で稜があり。
厚くて光沢がある葉。
長さ2〜5cm、幅1〜2.5cmの倒卵形または倒披針形。
展開する前の葉は密に重なり合っています。
ロゼット葉で越冬する越年草です。
色づく葉、赤い茎。
葉の先は円く、基部は次第に細まり柄状になっています。
茎は3-4稜がある円柱状で赤みを帯び無毛。
赤味を帯びる茎も美しく、アクセントのよう。
ハマボッス(浜払子)に似ている植物
ハマボッス の変種に「オオハマボックス(大浜払子)」があります。
オオハマボックスは、小笠原諸島の固有種で草丈10~40cm程。
花が大きく径は約1.5cm程です。
海辺で小さな白花をつけるアカネ科の「ソナレムグラ(磯馴葎)」があります。
ソナレムグラの葉や花は小さく、地を這いかたまりになって生えます。開花期は7~9月。
ハマボッスの花は5裂しますが、ソナレムグラは3~4mmほどの4裂した花です。