海岸に咲く黄色い野菊 アゼトウナ(畔唐菜)

海岸に咲くアゼトウナ(畔唐菜)
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アゼトウナ(畔唐菜)は、キク科アゼトウナ属に分類される多年草で、伊豆半島以西の太平洋岸の岩場などに自生しています。

ヤクシソウやニガナに似た小さなタンポポみたいな黄色い花を咲かせ、晩秋から初冬の海岸を彩ります。

アゼトウナ(畔唐菜)の特徴や様子

険しい岩場に咲くアゼトウナ(畔唐菜)。

アゼトウナ(畔唐菜)の特徴

日本原産で、キク科アゼトウナ属の多年草。
本州の伊豆半島以西〜九州の太平洋側の海岸に自生します。

草丈は5~15㎝程度。
岩の隙間に根を下ろし、茎は太く短く、根茎状になり、先端にロゼット状にやや肉厚の混生葉をつけます。
開花時期は8~12月。
枝分かれをした茎先に散房花序を出し、直径1.5cmほどの黄色い花を咲かせます。

名前の由来は、「アゼ」は古い言葉で海岸の崩れた崖を意味する「アザ」が転じたもので、崖に生え、漬物などにして食べられる「トウナ(唐菜)」に似ていることから。

学名:Crepidiastrum keiskeanum
科・属名:キク科・アゼトウナ属
原産地:日本
花言葉:変わらぬ愛

 

海岸に咲くアゼトウナ(畔唐菜)の様子

晩秋に咲く海辺の野菊。
この時期の黄色い花はとても目立ちます。

アゼトウナ(畔唐菜)は、海岸の岩場に生息する海岸植物。
垂直に近い岩にもへばり付くように生えてます。

自然がつくりだしたアートのような光景。

高嶺の花のよう。近づくのは難しそうです。

浜辺の岩の隙間に生えてるアゼトウナ(畔唐菜)。
少ない土でも大丈夫なのでしょうか。

岩場にしっかり根を張るアゼトウナ(畔唐菜)。
強い日差しや、塩性にも強い植物。

花だけを見ると、秋に咲いてるヤクシソウ(薬師草)によく似ています。
花の大きさは1.5㎝程。黄色の舌状花のみの頭花を散房状につけてます。

花弁は十数個あり、花弁の先端には4つの浅いギザギザがあります。
雄しべ14本程、雌しべ1本。

蕾の様子。
総苞は細長い。

枯れ始めた花は下を向いています。
花後は長い冠毛が傘のように開きます。

株、葉の様子。
ところどころ葉が赤く紅葉しています。

アゼトウナ(畔唐菜)は、這って広がり、根生葉をロゼット状にそう生します。
根生葉は長さ3~10cmの倒卵形で厚く、先は丸く縁に鈍い鋸歯があります。

根生葉の葉腋から側枝をだし、高さ10cm程度になります。

茎につく葉は小さく、互い違いに生えてます(互生)。

 

この時期、海岸にはツワブキ(石蕗)の花も咲いていました。

ツワブキもアセドウナと同じく、晩秋から初冬にかけて咲くキク科の多年草。
フキのような葉から、キクのような黄色い花を咲かせます。

庭などに植えられることも多いですが、元来、海辺に近い岩場などに多く自生しており、磯蕗(イソブキ)の別名があります。

葉は長い葉柄をもった円形で、フキに似ていますが、厚みがあり、表面には光沢があります。

開花時期は10~12月。

花茎の先に、直径5㎝程度の黄色い花を、数輪~10輪咲かせます。
中心部に筒状花が多数あり、まわりにには舌状花が並びます。

学名:Farfugium japonicum
科・属名:キク科・ツワブキ属
原産地:日本、東南アジア
別名:ツワ、イソブキ(磯蕗)、イシブキ(石蕗)、タク吾(タクゴ)
花言葉:「謙譲」「困難に負けない」他。

 

また、海岸で見かけるよく似た植物に「ホソバワダン(細葉海菜)」があります。
アゼトウナは主に太平洋側に多く、ホソバワダンは日本海側から東シナ海に面した海岸に多いとされます。

 

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