伊万里市の大川内山は、「秘窯(ひよう)の里」と呼ばれる風情ある焼き物の町。
山水画を思わせるような奇岩に囲まれて、レンガ造りの煙突や窯元がいくつも立ち並んでいます。
初夏になると、店の軒先には、各窯元の技術の粋を集めた風鈴がつるされる夏の風物詩、「風鈴まつり」がはじまります。
心地よい優しい音色と共に、散策道でみかける紫陽花も美しく心がなごみます。
目次
伊万里大川内山の初夏 風鈴祭りと紫陽花めぐり
伊万里市南部にある大川山内(おおかわうちやま)は、深緑の山々に囲まれた自然豊かなことろ。狭い谷間に窯元や藩窯公園があり、散策や窯元巡りが楽しめるところ。
大川山内の詳細
大川内山は、奇岩が切り立ち、三方を山に囲まれ、山水画のような風景と卓越した焼物文化が息づく秘窯の里。
かつては鍋島藩の御用窯が置かれ、高度な技術が外部に漏れないよう関所が設けられてました。
現在は坂に面して30軒ほどの窯元さんあり、昔の鍋島を継承しながらも個性豊かな焼物がならびます。
佐賀鍋島藩御用窯は、延宝3年(1675年)~廃藩置県(1871年)まで置かれ、
その藩窯では、朝廷、将軍家や諸大名などへ献上する高品位な焼き物が焼かれていました。
鍋島藩御用窯でつくられた焼物は、「鍋島」と呼ばれ、日本一のやきものとされていました。その伝統を受け継いだのが伊万里焼です。
アクセス
住所:伊万里市大川内町大川内山
西九州自動車道 伊万里東府招ICより車で15分。
伊万里駅よりバスで20分大川内山下車。
駐車場有り。(無料)
伊万里大川内山 風鈴まつりとは?
「風鈴まつり」は、6月中旬から8月下旬まで開催される長期イベント。
この時期は、磁器風鈴の凛とした涼しげな音色に、山里が包まれます。
各窯元の軒下には、オリジナルの絵付けによる風鈴がつるされます。
見た目も音も美しい磁器製の風鈴ですが、風鈴は形や大きさ、焼成温度によっても奏でる音が変わり、聞き比べも楽しみのひとつです。
あじさいの見頃は、6月上旬~中旬。
6月の大川山内の窯元巡り・風鈴とあじさいに癒される
屏風岩を背景に、風情のある街並みとても魅力なところ。
細い石畳の坂に沿って、御用窯の伝統を受け継ぐ窯元が並びます。
軒を飾る風鈴。
夏のステキな風物詩。
どこか懐かしい気持ちになります。
ガラスとはひと味違う、心地よい焼き物独特の音色は、大きさでも音色が違う。
大きな風鈴。
お店の中はステキな器が溢れてます。
それぞれのお店、窯元さんがが独自の持ち味を出しながら作陶に取り組んでいるそう。
いろんなお店に入ってみるのが楽しい。
猫の風鈴。
小道には、あちこちで紫陽花の花が見頃を迎えていました。
しっとりとした街並みと紫陽花の花がよく似合います。
ペチュニアの花も可愛い。
鍋島藩窯公園での散策・あじさい巡り
小道の坂を上がりきった所にある「鍋島藩窯公園」入口。
鍋島藩窯公園は、窯元群と隣接した丘陵地にあります。
製陶の秘法を守った関所、お経石窯や清原窯などの登り窯跡、陶工の家などが再現されてる、焼物の里ならではの特色ある公園。
入口からすぐに色とりどりの紫陽花が咲いてました。
陶工の家(江戸時代にここに住んでいた陶工の家の再現)と紫陽花。
川の擁壁にも陶片がいっぱい埋め込まれ素敵です。
新緑も美しい季節です。
伊万里川沿いの細い道を歩きました。
磁器のオブジェ。
大川内山は、「残したい日本の音風景百選」、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」などに選ばれています。