ナンキンハゼ(南京櫨)は、秋になると紅葉がとてもきれいで素敵です。
ハート型にも見える、丸びのあるひし形の葉が、赤、オレンジ、紫、黄色とカラフルに彩ります。
実は白く、葉が散ってもしばらく木の上に残ります。
その姿はとても可愛くてオブジェのよう。青空にもよく映えます。
集めればリースなどの材料にも使えそうです。
ナンキンハゼ(南京櫨)の特徴、紅葉の様子や実の様子
ナンキンハゼ(南京櫨)は、公園や街路樹によく植えられている落葉高木。
長崎では「長崎市の木」に制定されており、街路樹として多くみかけます。
ナンキンハゼ(南京櫨)の特徴
名前のとおり中国が原産の樹木で、種子から蝋(ろう)を採る有用樹として江戸時代に長崎から日本へ入ったものが街路や公園に使われるようになったそうです。
樹高は15mに生長する高木。
新緑は明るい緑で、夏以降もそれほど濃い色になりません。
秋になると、グラデーションが美しい紅葉がみられます。
開花時期は5~7月で、黄色っぽい穂状の花(雌雄異花)には微香があります。
「ハゼ」という名が付いてますが、ウルシ科のハゼノキとは別物です。
樹液に触れてもかぶれることはありません。
「ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木」という意味合いで「ナンキンハゼ(南京櫨)」と命名されたという説が有力。
紅葉が埴輪(はにわ)の色に似ているため、埴輪を作る埴師(はにし)にちなんで命名されたという説もあるようです。
学名:Sapium sebiferum
科・属名:トウダイグサ科・シラキ属
別名:トウハゼ(唐黄櫨)、ウキュウ(烏臼木)
原産地:中国
花言葉は:「真心」「心が通じる」
ナンキンハゼ(南京櫨)の紅葉の様子
色とりどりの葉がカラフルでとても綺麗です。
白い実をところどころ実らしています。
ナンキンハゼ(南京櫨)の実の様子
ナンキンハゼの実は、はじめは緑色でだんだんと黒く熟していきます。
その後果皮が割れ、直径1.5cm程の白いロウ状物質に包まれた種子が姿を現します。
白い部分は蝋質で仮種皮と呼ばれ、タネ本体はその中に包まれています。
タネ本体は褐色で、7mm程の球形。
落葉後もしばらく木の上に残る白い実。
青空によくお似合いで、とても綺麗です。
白い実の表面は蝋質の仮種皮。
高カロリーの脂質を多く含んでいて、ロウの原料になります。
冬に見かけた水辺に生えてるナンキンハゼ(南京櫨)。
生命力の強いナンキンハゼは水の流れや鳥に運ばれて野生化し、分布を広げているようです。
キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、シジュウカラ、カラスなど、さまざまな鳥がこの恩恵にあずかります。
果皮が裂開して、白い仮種皮に覆われた3個の種子のようす。
白い実は、真冬でもなかなか落ちずに枝先に残っていたりします。
白い種子だけが枝先に残る姿もいい感じです。