「ヒイラギモチ(柊黐)」は、ヒイラギ(柊)とは異なる種ですが、ヒイラギのようなトゲトゲとした葉をもち、ヒイラギモドキの名があります。
冬になると赤い丸い実をつけ、クリスマスの実ものとしても使われます。
クリスマスホーリーの名でも流通していますが、本来はセイヨウヒイラギ(西洋柊)がクリスマスホーリーとのこと。
ヒイラギモチの別名は、チャイニーズホーリー。
シナヒイラギ(支那柊)、ヤバネヒイラギモチ(矢羽柊黐)とも呼ばれます。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)の特徴や様子・ヒイラギとの違い
冬になるとたわわに実をつける「ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)」。
緑色のトゲトゲの葉と、赤い実の対比がとてもきれいです。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)の特徴
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)は、モクセイ科のヒイラギとは近縁ではなく、モチノキ科モチノキ属に分類されます。
中国原産の雌雄異株の常緑小高木。
葉は面白い形。四角形状をした長楕円形で、縁に針状の鋭い刺がありますが、丸みを帯びた葉や、刺の無い葉など個体差があります。
春にクリーム色の小さな4弁花を咲かせ、晩秋から冬に赤い丸い実をつけます。
名前の由来は、ヒイラギ(柊)に似ていて、モチノキ科モチノキ属であることから名づけられました。
ヒイラギは、葉のトゲに触れるとヒリヒリ痛むことから、「ひりひり痛む」という意味の古語「ひひらく(疼く)」に由来してます。
別名のチャイニーズ・ホーリーは、中国原産のHolly(モチノキ属の総称、西洋柊)。
科・属名:モチノキ科・モチノキ属
別名:シナヒイラギ(支那柊)、ヤバネヒイラギモチ(矢羽柊黐)、ヒイラギモドキ、クリスマスホーリー(流通名)
原産地:中国、朝鮮半島南端部
開花時期:4~5月
果実成熟期:11~2月
花言葉:「清廉」
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)の様子
常緑で耐寒性があるので、生け垣や庭木に利用されています。
花が少ない季節に、鮮やかな赤い実をたくさん実らせてくれます。
葉のわきから柄を伸ばし、小さなサクランボのような実をつけてます。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)は雌雄異株ですが、「単為結果(受粉しなくても実がなる)」 なので、雌株だけでも実がつくようです。
直径約1cmの球形。
鮮やかな色の実ですが、表面の光沢はあまりなく、マットな質感です。
果実は核果。
核は4個で、それぞれに1個の種子。
葉は互生する単葉で、長さ4~7cm、幅2~4cm。
四角張った長楕円形。
厚みがあり、光沢がある革質。
葉の角張った先端には針状の鋭いトゲがあります。
ムササビが飛んでいるようにも見える葉。
五角形で鋸歯がトゲになっている葉。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)の葉は、この形が多いですが、鋸歯が多いもの、丸まった形など個体差があります。
老木ほど鋸歯が減り、トゲがないものが増えるようです。
ヒイラギとの違い
ヒイラギはモクセイ科で、ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)はモチノキ科なので、葉が似ていてもまったく別の植物です。
ヒイラギ(柊)は、日本や台湾の山地に自生しているモクセイ科・モクセイ属の常緑樹。
鋭いトゲのあることで知られるヒイラギ(柊)は、古くから邪気を払う縁起木として生け垣や庭木として植えられてきました。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)と同じく、葉は肉厚で光沢がありますが、葉の形が違います。
ヒイラギ葉は先端が尖り、縁はノコギリの歯のようにギザギザしています。(樹齢を重ねていくとトゲが減っていきます。)
葉の付き方も違います。
ヒイラギの葉は、対生(向かい合ってつく)。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)の葉は、互生(互い違いにつく)。
ヒイラギは、晩秋にギンモクセイに似た白い小さな花を咲かせ、甘い香りを放ちます。翌年の初夏になると黒い実をつけます。
ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)は、春にクリーム色の小さな花を咲かせ、晩秋から冬に赤い実をつけます。
科・属名:モクセイ科・モクセイ属
別名:ヒラギ
原産地:日本、台湾
開花時期:11~12月
果実成熟期:7月頃
花言葉:「用心深さ」「先見の明」