ハナズオウ(花蘇芳)は、鮮やかな赤紫色の花で春を彩る花木です。
花の付き方は独特、幹や枝に密着してマメ科特有の蝶のような形の花を咲かせます。
枝にじかに付いてるような花姿は、とてもユニークで、ひときわ目を引く存在となります。
ハナズオウ(花蘇芳)の特徴や様子
珍しい花つき方をする「ハナズオウ(花蘇芳)」。
ハナズオウ(花蘇芳)の特徴
マメ科・ハナズオウ属の落葉樹。
中国大陸原産で、日本では北海道南部、本州、四国、九州に分布しています。
背丈はそれほど高くはならず、根元付近からよく分枝しほうき状となり、株立ちやそれに近い樹形になります。若い枝はややジグザグ状になります。
花期は4月~5月。
葉が出る前に、幹性、幹枝に密着して束生する紫紅色の花。
葉の付け根に蝶型の花を集合させて開花します。
花軸が極端に短いので枝に直接くっついてるように見えます。
葉は花が終わったあとにハート型のかわいらしい葉が芽吹きます。
花後は種のサヤができて、緑色から褐色に変化し、春先まで枝に残ります。
葉は秋になると黄葉した後、落葉します。
名前の由来は、花色がスオウ(蘇芳)で染めた色(蘇芳色:黒味を帯びた紅色)に似ていることからつけられました。
ハナズオウの園芸品種には、白花もあります。
科・属名:マメ科・ハナズオウ属
原産地:中国
別名:ハナムラサキ(花紫)、スオウバナ(蘇芳花)、スオウギ(蘇芳木)
開花時期:4~5月
樹高:2〜3m
花言葉:「疑惑」「裏切り」「不審」
ハナズオウ(花蘇芳)の蕾や花の様子
幹に蕾をつけた様子。
若い蕾。
幼枝はジグザグにのびますが、枝にも蕾をたくさんつけます。
蕾の時期は、遠目に粒々した小さな花が咲いているようにも見えます。
枝に乗っかっている(張り付いている)のよう。
花は枝ではなく幹に直接咲くので「幹生花(かんせいか)」と呼ばれています。
花軸が極端に短い。
そら豆のような形の蕾。
咲き始めの花。
花は明るい赤紫色できれいです。
華やかな花。
マメ科特有の蝶形花(ちょうけいか)ですが、旗弁(きべん)が翼弁(よくべん)の内側にあります。旗弁には模様があり蜜標になっています。
竜骨弁の中には雄しべ6個と雌しべが入っています。
花のひとつひとつは、長さ1~2cmほど。
がくは筒形で浅く5裂しています。
花弁は5枚。
雄しべは10本。花糸は離生しています。
雌しべは1本。
輪状に花をつけてます。
ハナズオウ(花蘇芳)の花後・葉・幹の様子
花の時期に見られた若葉。
初々しい若葉の様子。
花後の様子。
枯れた花は茶色くなり、キヌサヤインゲンを短くしたようなさやができます。
果実は長さ5~7cm、幅1~1.3cmの扁平な豆果で、垂れ下がります。
種子は扁平球形、小粒、1果に2~3個。
葉は光沢があるハート形で、葉柄の両端は少し膨らみます。
大きさは約6cm~10cm。
葉のつき方:互生
ハナズオウは、株元から幹をたくさん出して株立ちになります。
ほうき状に広がる独特な樹形。
樹皮は明るい褐色で小さな丸い皮目が多く見られます。