青木(アオキ)の花 雄花 雌花

青木(アオキ)の花
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青木(アオキ)は、つややかな常緑の葉を持つ低木で、「アオキバ」「アオギ」の名でも呼ばれています。

花は春に咲き、観賞用には乏しいとされる小さな花ですが、近くでよく見ると個性的で愛らしい風貌です。

青木(アオキ)は、雌雄異株で雄木と雌木があり、雌木の雌花は花後に楕円形の実を付け、実は秋から冬に赤く熟します。

青木(アオキ)の花ってどんな花?

春の青木(アオキ)の様子

春の青木(アオキ)の様子。

 

青木(アオキ)の特徴

アオキは日本原産のガリア科アオキ属の常緑低木。
山野に自生し、常緑林の林床のような日陰でもよく育つ植物です。
耐陰性、耐寒性に優れているため、北向きの土地での庭木しても重宝されています。

光沢がある緑色の葉は厚く、細長い楕円形で縁にギザギザがあります。
葉も枝も緑色をしていることから、「アオキ(青木)」と名付けられました。

 

花期は3~5月頃。

アオキには雄株と雌株があり、それぞれ別に雄花と雌花が咲きます。
枝先に円錐花序を出し、紫褐色の小さな花を多数つけます。

雄花には雄しべが4本と花盤があり、雌花には角状の子房があります。
雌株には果実がつき、果実は長さ2cmほどの楕円形の核果で赤く熟します。

 

学名:Aucuba japonica
科・属 :ミズキ科・アオキ属
別名:ダルマノキ
原産地 :日本
開花期: 3月~5月
花言葉:「若く美しく」「初志貫徹」「変わらぬ愛」「永遠の愛」

 

青木(アオキ)の雄花と雌花

青木(アオキ)の雄花と雌花の比較写真

雄花・雌雄とも花は直径1cmほど。
紫褐色の4弁花。
花弁は平開し、長卵形で先端は鋭くとがります。

  • 雄花は、雄しべが4個あり、葯は淡黄色で目立ちます。
    中央に花盤があります。
    雌しべは退化。花盤には雌しべの痕跡が見られます。
  • 雌花は、角状の子房があります。
    雌しべの花柱は太く、柱頭は円盤状。
    雄しべは退化してありません。

 

青木(アオキ)の雄花の様子

青木(アオキ)の雄花の花序

雄花序は長さ5~15cm。
雌花よりも大きな花序で、よく枝分かれし、花がたくさん付きます。

青木(アオキ)の雄花の蕾・花

蕾と花の様子。
小さく丸い蕾で、ややふっくらした粒状。
薄っすらと赤味を帯び色づいています。

青木(アオキ)の雄花、後ろ(裏)から見た様子。

後ろ(裏)から見た様子。

萼片は4枚、合着して萼筒を形成しています。

青木(アオキ)の雄花のアップ写真

大きさは1㎝ほどですが、チョコレート色のシックな花。
黄色い花粉を出している雄しべが目立ち、ユニークな花姿です。

アオキの花は、キノコバエに花粉を運んでもらうがために、このような花形をしていると考えられるそうです。

 

青木(アオキ)の雌花の様子

青木(アオキ)の雌花の花序

雌花は雄花と違って、密集して固まって咲いています。
雌花序も短く長さ2~5cm。

青木(アオキ)の雌花 青木(アオキ)の雌花のアップ写真

黄緑色のふっくらとした柱頭の大きな雌しべが特徴。
柱頭は頭状で、わずかに2裂してます。

アオキは昆虫を介して受粉が行われます。
雌花が受粉すると長楕円形の果実が実り、冬になると赤く熟します。

 

花と実が一緒に見られるアオキの様子

花と実が一緒に見られるアオキの様子

青木(アオキ)は、3~5月に開花し、12〜5月に果実が見られます。

青木(アオキ)の実は、楕円形のつややかな赤い実で、冬でも青々とした葉ともあいまって美しく山の中でも目立ちます。

果実は枝についている期間が長いので、しばしば花の時期にも果実を見かけます。

青木(アオキ)の果実・種

果実は核果。
長さ1.5〜2cmの長楕円形または卵状長楕円形。
大型の種子が1個入っています。

青木(アオキ)は、江戸時代に観賞用としてイギリスに移入されましたが、雌株のみだったため結実せず、80年後に雄株を移入して初めて結実したそうです。

青木(アオキ)の新芽(若葉)の様子

春に見かける青木(アオキ)の新芽(若葉)の様子。

 

冬の山でみかける美しい青木(アオキ)の実の様子。

山でみかけたアオキ(青木)の実

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