春になるとこんもりとした白い花を咲かせる「オオデマリ」。
白いアジサイにそっくりな花を咲かせるので、「え? もうアジサイが咲いてるの?」なんて思うこともありませんか?
オオデマリは、小さな花が集まった様子が、手毬に似ていることから名付けられたそうです。
野山で見かける「ガマズミ」も、オオデマリやアジサイの花に少し似ています。
目次
オオデマリとアジサイの違い 見分け方 (アナベル、ガマズミ)
「オオデマリ(大手鞠)」は、スイカズラ(レンプクソウ)科ガマズミ属の落葉性低木。
「ヤブテマリ(藪手毬)」の園芸品種と言われています。
「ケナシヤブデマリ(毛無し藪手毬)」に由来する園芸種であるという説もあります。
別名:テマリバナ テマリカ。
オオデマリとアジサイの違い・見分け方
「オオデマリ」と「白いアジサイ」は、花だけ見るとそっくり、よく似ています。
オオデマリもアジサイも、花のように見える部分はガクが変化した「装飾花」。
- 花が咲く時期の違い
オオデマリは春、4月~咲きだします。
アジサイは初夏、6月頃に見頃を迎えます。 - 花の付き方の違い
オオデマリは、枝に花を次ぎ次ぎ咲かせていきます。
アジサイは、枝の頂点に花を咲かせます。 - 葉の違い
オオデマリは、広卵形~円形。葉脈沿った窪みがくっきりしている。
アジサイは、卵形でオオデマリに比べると柔らかな印象。 - 全体的な雰囲気として
オオデマリは、1~3メートルのしっかりとした木にもなります。
アジサイは、1メートル位までの低木。
小さな花が集まってる白い花は、まるでアジサイのようだけど・・
春になったばかりに、
「あっ・・何で今頃アジサイ?」
「アジサイによく似てるけど何の花?」
と、思った時はオオデマリかもしれません。
なぜか名前も混同しやすい
よく目にするこんもりとしたアジサイのことを、「テマリアジサイ」と呼んだりもします。
「オオデマリ」と「テマリアジサイ」・・・名前が似てる?
アジサイは形で大きく分けると、「ガクアジサイ」・「テマリアジサイ」があります。こんもりと球状、全体的に花が咲いてるアジサイを「テマリアジサイ」と呼びます。
また、名前の似ている木に、小さめな白い花を咲かせる「コデマリ」がありますが、コデマリはバラ科、オオデマリはレンプクソウ科で、類縁関係のない植物です。
オオデマリの花のようす
ボール状の花を次ぎ次ぎ咲かせるオオデマリ。 (4月のようす)
花は咲き始めが黄緑色で、開くと白色になります。
花弁が変化した白色の装飾花。(花びらが5枚あるようにみえます)。
中心にあるぽちっと丸いのが花ですが、雌しべも雄しべも退化して生殖の機能はないとも言われてます。
オオデマリの花は白色ですが、最近はモモイロオオデマリ「ジェミニ」などピンク色の花を咲かせる種類もあります。
オオデマリの葉。
白いアジサイのようす
初夏を彩る白いアジサイ。
アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。
花の色は、白、青、紫、ピンク、赤、緑など花色も豊富です。
4月頃から園芸店では鉢花が出回りますが、本来の開花期は6~7月です。
アジサイは、ちょっと憂鬱な梅雨の時期に彩りを添えてくれる花。
本来はガクとされる装飾花の真ん中に、オオデマリと同じように小さな花があります。
装飾花が発達したのは、虫を誘惑するためだとも言われてます。
また洋風な雰囲気があるアジサイの「アナベル」も、少しオオデマリと似ている白いアジサイです。
アナベルのようす
アナベルは、北アメリカ東部に自生するアメリカノリノキの変種を品種化したアジサイ。
花期は6月~7月。
花色は基本種の白の他、ピンク。
アナベルは、日本のアジサイに比べると枝が細く葉も柔らかです。
小さな花をたくさんつけるので豪華ですが繊細な印象です。
柔らかでやさしい雰囲気があるアナベル。
野山でみかけるガマズミ
「ガマズミ」は、スイカズラ科のガマズミ属に分類される落葉低木。
北海道から九州まで日本の山地や山里に広く自生する日本固有の種類。
花期は5月~6月ごろ。
「オオデマリ」もガマズミ属です。
ガマズミはオオデマリほど華やかでありませんが、同じようにこんもりとした白い花を咲かせ、葉もオオデマリと似ています。
枝の先から花柄がのび、約5mmほどの小さい花が集まってこんもりと半球状に白い花を咲かせます。
ガマズミは、花びらを5枚つけ、長いおしべが5本あり、花が咲き終わると、夏の終わりから秋にかけて約3mm~5mmほどの丸い果実をつけます。