春になると野原でよく見かけるアザミの花。
鮮やかな赤紫のアザミの花の中にある白いぽちぽち、白い粉のようなものが付着してるノアザミの花を見かけたりしませんか。
白い花なのか?もしかして病気?
なんても思いそうですが、白い粉のようなものの正体は「アザミの花粉」。
アザミ属には、花に虫がとまると花粉を排出する巧妙な仕組みがあるようですよ。
アザミ(薊)の花の中のようす 白いものは花粉なの?
アザミは、キク科のアザミ属に属する種類の総称です。
アザミの特徴
アザミの花は、筒状になっている小さな花の集合体です。
「頭状花序」(とうじょうかじょ)というキク科の花に見られる花の付き方。
春に見かける日本の野山に自生している多くは「ノアザミ」です。
赤紫の花をよく見かけますが、白の花もあるようです。
葉や総苞にトゲが多く、さわるととても痛いものが多く「触れれば痛い草」。
「きれいな花には棘がある」とも言われますが、アザミもその仲間のようで?艶やかな花を咲かせ、山菜としてもおいしく、薬草にもなる植物です。
アザミの名前は、「驚かせる」や「興ざめする」という意味の「あざむ」が由来。
「花を摘もうとするとトゲに刺さって驚く」ことから命名されたのではないかと言われています。
科・属名:キク科・アザミ属
学名:Cirsium japonicum
原産地: 日本
花期:4月〜8月ごろ
アザミの花粉のようす
白いものは、雌しべの先に付いてる花粉です。
アザミの花に昆虫がやってくると、「雌しべ」が長く伸びて筒状の中に貯まっていた花粉を押し上げます。
花粉(かふん)とは、種子植物門の植物の花の雄蘂(おしべ)から出る粉状の細胞。
花粉がめしべの先端(柱頭)につくことにより受粉が行われる。 引用:Wikipedia
花粉を押し出すアザミの雌しべ
「雄しべ」は筒状になっていて、その中に節のある「雌しべ」があります。
キク科の筒状花の雄しべは通常5本がまとまって筒のようになり(葯筒)、その筒の中に1本の雌しべがあります。
雄しべが先に成熟し、先端から花粉を放出し、その後から雌しべが花粉を押し出すように生長します。
トゲもいっぱいだけど、魅力もいっぱいなアザミ
アザミは漢字で書くと「薊」。
この字は、「草冠と魚と刀」からなる字で、魚はトゲトゲした骨があり、刀のように刺す草を表しているそうです。
春になると、原っぱや野山でアザミが咲きだします。
アザミは触るとかなり痛いので、ちょっと摘むのも勇気が必要ですが、家に持って帰って花瓶にさしたくなるほど綺麗で魅力的な花を咲かせます。
また若い葉は、おひたしやテンプラ等で美味しく食せます。
特に春先の若芽は、くせが無く昔から食用にされていたようですよ。
全草を天日乾燥したものを生薬で「薊(けい)」といい、煎じて、利尿剤、解毒剤や止血剤などに利用されています。