新緑が美しい初夏になると、ネジキの花はスズランのような小さなつぼ型の花を爽やかに咲かせます。
白い花がぶら下がってる様子は「ドウダンツツジの花」にも似ていますが、ネジキの花は花枝に沿って綺麗に並びます。
咲く時期が異なりますが、早春に咲く「アセビの花」にも少し似ています。
目次
ネジキってどんな植物? 特徴や様子・似た花
岩手県以南の本州から九州にかけた低山に自生するツツジ科の落葉樹。
花は、一列に並んで下向きに咲かせ可愛らしい。
ネジキの特徴
ネジキは、丘陵から山地にかけてのやや乾燥した疎林内や岩場に自生する高さ2~7メートルになる落葉低木。庭木として植栽されることもあります。
名の由来は、幹がねじれていることから。
樹皮全体に入る縦皺が、成長に伴って捩れることから。
また、別名のアカギ、アカメ、などは、新枝が美しい赤味を帯びていることに由来してます。
広島の宮島では、短く切ってしゃもじを作るのに利用したそうです。
※ 「霧酔病」といわれる牛や馬の原因不明の疾病が流行ったが、これはネジキを食べたことによる中毒であることが後に判明した。家畜有毒植物とされています。
特に葉の毒性(アンドロメドトキシン、リオニアトキシン)が強く、家畜の飼料にネジキの葉を混ぜるのは禁物。人間も食せば、嘔吐や痙攣を引き起こす。
学名:Lyonia ovalifolia
科・属名:ツツジ科/ネジキ属
別名:カシオシミ・アカギ・アカメ・ヌリバシノキ
樹高:2~9メートル
花期:5~6月
花言葉:悲しみの涙
ネジキの花の様子
花序の軸はほぼ水平に伸び、一列に白いつぼ形の花を下向きに咲かせています。
小さな花ですが、その様子が可愛らしくて目を引きます。
長さ4~6センチの総状花序。
花弁の長さは1センチほどで、先端が浅く5つに裂ける。
萼も5つに深く裂けてます。
花冠の中に雄しべは10個、雌しべ1個。
初夏に風に揺れる花。
緑の葉と白い花のコントラストが爽やかです。
ネジキの葉の様子
葉は互生し、卵状楕円形~長卵形で葉縁は波状で葉先は尖っています。
長さ5~10センチ、幅2~6センチほど。
茎が赤くなっています。
ネジキの幹の様子
樹皮のねじれ方は個体差が大きく右回りにも左回りにもなり、木の根元の方がねじれが強いとのこと。
この木は小さい木だったので、まだ幹が捩じれるようではありませんでした。
成長すると幹が捩じれるようです。
樹皮は褐色、らせん状に細かく裂け薄く剥がれます。
ネジキの花に似ているドウダンツツジの花
ツツジ科 / ドウダンツツジ属
春に、壺形の白い小さな花をたくさんぶら下げます。
秋は葉が紅葉してとても綺麗です。
開花時期:4月中旬~5月上旬
ネジキの花に似てるアセビの花
ツツジ科/アセビ属
早春、まだ寒い時期から春にかけて穂になって壺形の小さな白い花を咲かせます。
ピンクや赤の花も見かけます。
開花時期:2月~4月