初夏〜夏にみかけるタイサンボク(泰山木)の花は、とても迫力ある大きな白花で、目をひきます。
花の香りも甘くトロピカルで、とてもよい香り。
葉も大きく、南国風な雰囲気が漂う樹木ですが、春に咲くモクレンやコブシと同じ仲間の樹木です。
目次
タイサンボク(泰山木)の特徴・様子・似た花
北アメリカの東南部原産、モクレン科・モクレン属の常緑高木。
タイサンボク(泰山木)の特徴
タイサンボクは、樹高が20mにもなるモクレン科の常緑高木。
日本には明治の初めころから観賞用として庭木、公園樹などに植栽されてます。
初夏になると、枝先に直径15㎝以上もある、香りの強い大型の白花を咲かせます。
香水の原料や化粧品の香料として「マグノリア」と言われる場合は、タイサンボクのことを指すようです。(マグノリアとは、モクレン( Magnolia)属の植物の総称)。
名前の由来は、花や葉の大きく立派なことを賞賛して、中国山東省中部にある名山の泰山(たいざん)にたとえたことから。
また、大きな盃のような花姿から「大盃木」と呼ばれ、それが転訛したともいわれてます。
科・属名:モクレン科・モクレン属
別名:ハクレンボク・トキワハクレン・大山木
原産地:北アメリカ
花期:5~7月
樹高:10~30m
花言葉:「前途洋洋」「壮麗」
タイサンボク(泰山木)の様子
花が咲いてるもの、散り始め、蕾の様子が一緒に見られました。
花冠は杯状。
枝先に直径15〜25cmの芳香のある白い花をつけます。
花被片は9枚(花弁が6枚、萼片が3枚)で肉厚。
長さ6~10cm、幅5~7cmの倒卵形。
花の中。
花の中心の花軸上は、多数の雌しべと雄しべが集まり円錐状。
雌しべは黄褐色で渦巻き状に丸まってます。
雄しべは細長いへら状。
雄しべがとれた後は、花托の基部に赤い跡が残ります。
タイサンボクの若い果実。
果実は長さ8~12cm、幅4~5cmの楕円形の袋果の集合果。
この中で赤い種子が成熟し、時期が来ると開裂します。
種子は偏平楕円形。
タイサンボクの葉は、厚い革質。
色は濃緑色で互生。
長さ12~25cmの長楕円形で、やや裏側に湾曲します。
葉の表面は、ツルツルとしていて光沢があります。
葉の裏側は、褐色の毛が密生します。
幹の様子。
樹皮は滑らかで灰褐色から暗褐色。
老木になるとまだらに薄く剥げる。
※ 近縁種に、「ヒメタイサンボク(姫泰山木)」があります。
別名:ウラジロタイサンボク。
タイサンボクよりも花や樹高がより小さい品種。
タイサンボク(泰山木)とハクモクレン(白木蓮)との違い
「ハクモクレン(白木蓮)」は、常緑のタイサンボクとは違って、葉に先立って白い大型の花を咲かせます。
花期は、3月~4月。
花径10~15cmほどのよい香りの花。
花は全開で開花はせずに、開き切らないままの状態で咲かせます。
学名:Magnolia denudata
科・属名: モクレン科・モクレン属
別名:ハクレン、ハクレンゲ
原産地 :中国
タイサンボク(泰山木)に似てるホオノキ(朴の木)
「ホオノキ(朴の木)」は、日本の樹木の中で一番大きい葉と花をつけるとも言われる日本原産の植物。別名:ホオガシワ。
北海道から九州までの広い範囲地に分布するモクレン科の落葉樹。
開花時期は、5〜6月。
葉の展開後、枝先に直径約15cmの大きな花を咲かせます。
花は黄白色で芳香があります。
ホオノキとタイサンボクの違い。
ホオノキの花は、大きさや形がタイサンボクの花とよく似ています。
葉の大きさは、ホオノキは40cm程度あり、タイサンボクよりかなり大きい。
また、常緑樹のタイサンボクと違い、ホオノキは落葉樹で、秋になると黄色に紅葉し落葉します。
ホオノキの葉は、さわやかな香りと殺菌力があることから、「朴葉ずし」や「朴葉味噌」などでも有名です。
学名:Magnolia obovata Thunb.
科・属名: モクレン科・モクレン属
別名:ホオガシワ(朴柏)
原産地:日本