ハマゴウの花は、夏から初秋にかけて浜辺を彩ります。
ラベンダーのような優しい青紫色の花が、海辺にマッチして、とても爽やかな雰囲気。
ハマゴウは砂浜などに生育する海浜植物。
砂浜を這(は)うことにより、ハマハイ(浜這)、ハマボウなどの別名があります。
ハマゴウ(浜栲)の特徴や様子
一見、草にも見えますが、地面を這う小低木。
クマツヅラ科・ハマゴウ属。
ハマゴウ(浜栲)の特徴
日本(東北地方南部から琉球列島の各島)をはじめ、韓国・中国・台湾・東南アジアやオーストラリアの海岸や砂浜に生える常緑または落葉小低木。
褐色の茎が砂地を這うように伸びて成長し群生します。
高さ20〜70cmほど。
花期は夏から初秋にかけて(7月〜9月)。
枝先に5~10cm位の円錐花序をだし淡青紫色の花をたくさんつけます。
秋になると直径5~7㎜の球形で、淡黒色をした硬い果実が熟します。
株全体に爽やかな香気があります。
線香やお香にも利用されたようです。
また効用があり、漢方では果実は蔓荊子(まんけいし)、茎や葉は蔓荊葉(まんけいよう)呼ばれる生薬で、消炎・鎮痛に利用されます。
名前の由来は、全体に芳香があるところから「ハマコウ(浜香)」と呼ばれていたものが転訛。
また、砂浜を這うように生育していることから「ハマハウ」または「ハマホウ」がハマゴウに転訛。
学名 Vitex rotundifolia
科・属名: クマツヅラ科・ハマゴウ属
別名:ハマハイ(浜這)、ハマボウ
原産地:日本、朝鮮半島、台湾、中国、東南アジア等
花言葉:「愛の喜び」
ハマゴウ(浜栲)の様子(葉・茎)
砂浜を這うハマゴウ(浜栲)。
茎は長く枝分かれしながら、砂の上や中をはって伸び根をおろしています。
真水を吸収するために、根が地中深く伸びるようです。
伸び広がった褐色の茎の先から、枝が立ち上がります。
葉は対生し、裏面には灰白色の軟毛で被われています。
若い枝には灰白色の短毛が密にはえます。
葉は対生する単葉で、長さ3~6cm、幅2~4cmの広卵形~楕円形。
縁は全縁。
洋紙質で、両面に微毛が密生。
裏面は灰白色。
陰干しした花期の茎葉をお風呂に入れると、 冷え症・肩こり・神経痛・腹痛
筋肉痛に効能があるそうです。
枝が立ち上がってる大株。
高さ30〜50cmほど。
樹皮は灰褐色でなめらか。
浜辺の芸術作品。
ハマゴウ(浜栲)の花
枝先きに長さ4〜6cmの円錐花序を出し、淡青紫色の花をつけます。
花冠は長さ1.2~1.6cmの漏斗状。
花序の軸には灰白色の短毛が密生する。
花の形は5裂した唇形。
下部の裂片が他の裂片よりはるかに大きい。
雄しべは4個、雌しべ1個(柱頭は2裂する)。
蕾の様子。
少しだけ色づいてます。
開花しはじめました。
ハマゴウ(浜栲)の果実
9月の様子。
果実が色づいています。
果実は径5~7mmで灰褐色の球形。
下部は萼に包まれてます。
果皮がコルク質で軽く、海水に浮き海流によって運ばれます。
熟すと紫黒色へ。
ハマゴウの果実で作った枕は、よい香りがして、よく眠れると言い伝えられがあるそうです。
平安時代の貴族も利用していたらしい。
ハマゴウの仲間
(ハマゴウの葉は単葉)。
奄美大島以南の沖縄には、幹が直立や傾斜でたちあがり、花がやや小ぶりな「ミツバハマゴウ」と呼ばれるハマゴウの仲間があります。ハマゴウはふつう単葉ですが、ミツバハマゴウは三枚の葉っぱが生えます。樹高2 m以上に達する落葉低木。
学名: Vitex trifolia
科・属名:クマツヅラ科・ハマゴウ属
別名:タチハマゴウ、シルフーキ
またハマゴウは別名で、「ハマボウ」とも呼びますが、アオイ科のハマボウとは別種です。
ハマボウ(浜朴・黄槿):夏に黄色の花を咲かせる、海岸や河口の砂泥地に生える落葉低木。(塩生植物)。アオイ科・フヨウ属。