冬空にも健気に咲く寒桜(かんざくら)は、春の訪れをそっと教えてくれてるような優しいピンク色のサクラ。
見る人をそっと見下ろすように、うつむき加減に花を咲かせます。
開花時期は1月中旬~2月上旬頃、旧暦の正月に咲くサクラで、元旦桜(がんじつざくら)とも呼ばれています。
寒桜(元日桜)特徴や様子
長崎市の西山神社の寒桜(元日桜)。
明治三十年(1897年)正月植樹。
市指定天然記念物です。
寒桜(元日桜)の特徴
寒桜は2月上旬、つまり旧暦の元日ごろに開花するため元日桜ともいうが、この寒桜は開花期が早く、1月上旬には開花し、2月上旬には終わる。
カンザクラ(寒桜)は、中国南部・台湾を原産とするカンヒザクラ(寒緋桜)を片親とした雑種といわれるが、他の片親の違いによって花色・花形・開花期に違いが出てくるものと思われる。引用:長崎市
「寒桜(元日桜)」は、バラ科サクラ属の落葉小高木。
花は一重咲き、大きさはやや小さめです。
咲き方は下向きで、釣り鐘状に花を咲かせます。
蕾は濃いピンク色で、開花すると淡いピンク色になります。
花の付け根部分が赤いのも特徴。
葉は少し遅れて展開します。
静岡県熱海市に多く咲いていることから、「アタミザクラ(熱海桜)」とも呼ばれています。
学名:Prunus x kanzakura
科・属名:バラ科・サクラ属
原産地:日本
花言葉:「気まぐれ」「あなたに微笑む」
寒桜(元日桜)の様子
幹の様子。
まだ寒い一月。
柔らかい桃色の花が、枝いっぱいに咲いていました。
風情ただよう寒桜(元日桜)。
花の大きさはソメイヨシノと比べると小さめです。
花中心部は濃いめの色。
花は下向きに咲いています。
つぼみは紅色。
花弁は5枚。
黄色い葯がついた雄しべは多数。
雌しべ1本。
花の付け根は赤い。
赤く筒のような形をした部分は、萼筒(がくとう)。
萼片(がくへん)は5枚。
ベルのような蕾をたくさんつけてます。
蕾の時は若緑もあって初々しい。
色合いがとっても綺麗です。
冬に咲く桜 カワヅザクラ(河津桜)・カンヒザクラ(寒緋桜)
カワヅザクラ(河津桜)
オオシマザクラとカンヒザクラ自然交雑から生まれたとされる日本原産の栽培品種。
開花時期:1月下旬~3月。
1ヶ月ほど咲き続ける開花期間が長いサクラです。
寒桜やソメイヨシノより花は大きめで、濃いピンクの花を咲かせます。
学名:Cerasus lannesiana Carriere, 1872 ‘Kawazu-zakura
科・属名:バラ科 サクラ属
別名:小峰桜
花言葉:「思いを託します」「淡泊」「純潔」「優れた美人」「精神美」
カンヒザクラ(寒緋桜)
原産地は台湾や中国南部で、江戸時代に本州に伝わったとされます。
開花時期は1~3月頃。
鮮やかな濃いピンク色、釣り鐘状の下向きに閉じたような半開きの形が特徴的なサクラ。ヒカンザクラ(緋寒桜)とも呼ばれます。
寒桜の片親で、花の付け根が赤く、下向きに咲く様子が似ています。
学名:Prunus cerasoides var. campanulata
科・属名:バラ科 サクラ属
別名:ヒカンザクラ(緋寒桜)・タイワンザクラ(台湾桜)
花言葉:「あでやか」「あでやかな美人」「善行」