ショウゲツザクラ(松月桜)は、大輪の八重咲で、淡いピンク色の上品な花をたわわにつける大変美しいサクラです。
遅咲きのサクラで、ソメイヨシノ(吉野桜)が散った後に花がみられます。
蕾から満開までの花色の移ろいも素敵です。
ショウゲツザクラ(松月桜)の特徴や様子
長崎県諫早市「本明川桜づつみ」にて。
ショウゲツ(松月)
4月下旬開花。花は外弁が紅色を帯び中心が白い。
学名のスベルバは木田会という意味。江戸時代後期には築地の浴恩園に植えられていた。(バラ科)
ショウゲツ(松月)の特徴
バラ科・サクラ属の耐寒性落葉亜高木。
オオシマザクラ(大島桜)を基に生まれた、栽培品種のサトザクラ群のサクラ。
日本原産のヤエザクラ(八重桜)。
ノダノオオザクラ(野田大桜)と呼ばれることもあります。
樹高は4~5mの亜高木(高木と低木の中間の高さ)。
樹形は枝が横に広がる傘状。
葉は開花頃に出始め、花はある程度の集まりをつくり下に向かって垂れて咲きます。
花の大きさは花径5㎝程の大輪。
花弁数は20〜30枚程。
花色は淡紅色で中心は白色を帯びています。
花の中央に、1~2本の葉化雌蕊(雌しべが葉状に変化したもの)があります。
科・属名:バラ科・サクラ属
別名:ノダノオオザクラ(野田大桜)
原産地:日本
樹形:傘状
花形:八重咲
花の大きさ:大輪
樹高:亜高木
花色:淡紅
開花時期:4月中旬~下旬 (※気候や風土によって誤差はあります。)
ショウゲツ(松月)の様子
蕾をたくさんつけてるショウゲツザクラ(松月桜)。
蕾の時は紅色で、開花すると淡紅、咲き進むにつれ白っぽい花へ。
花梗が長く、垂れ下がるように花をつけます。
蕾がみられる時期のショウゲツ(松月)は、花色がグラデーションでとても美しい。
蕾と開花した花。
くしゃくしゃとした花びらがキュートな蕾。
花は咲き進むと白っぽくなります。
外側は薄い紅色で中心が白い。
満開になるとほぼ白色の花へ。
花びらの先端に細かく切れ込みが入ります。
花弁数は20〜30枚程。
花弁の先端に細かい切れ込みがあります。
花の中心部には、1~2本の葉化雌蕊(雌しべが葉状に変化したもの)があります。
雄しべは多数。葯は黄白色。
若芽は黄緑色。
葉は倒卵形。
重鋸歯縁で鋸歯の先は針状にとがります。
樹皮は暗紫褐色で、横に浅く裂けます。
皮目も横に並び、横長。
後ろからみた花の様子。
萼は5、6枚で三角形。少し赤く色づいています。
フリルのように少し波打った花弁が美しい。
ショウゲツザクラ(松月桜)と同じ頃に咲いてるサクラ
【 カンザン(関山)】
よく目にする八重桜の代表的な品種。
紅紫色の20〜50枚もの花弁が鮮やかな、サトザクラの一種。
枝は、内側に向かって曲っているので、樹形は盃(さかずき)のように見えます。
花径5㎝ほどの大輪。
花の塩漬けは桜湯として用いられます。
【フゲンゾウ(普賢象)】
室町時代から記録がある古い品種のサトザクラの一種。
花径5㎝ほどの大輪。
花弁は咲きはじめが淡紅色で、徐々に白化します。
ショウゲツザクラ(松月桜)とよく似ていますが、
花と一緒に、赤紫を帯びた褐色の若葉が見られます。
【イチヨウ(一葉)】
淡い紅色の大輪の花を咲かせるサトザクラの一種。
花径4~5㎝ほどの大輪
花弁は咲きはじめが淡紅色で、徐々に白化します。
花の中央にある1本の雌しべが葉化し、長く突き出すことから「イチヨウ」の名がついています。